志貴山縁起 [1] / 国立国会図書館デジタルコレクション
信貴山縁起絵巻と鳥獣人物戯画
日本を代表する絵巻物。現代の漫画にも通じる手法で表現されていることから、漫画のルーツとも言われる。
日本の大衆文化の一つとして親しまれる漫画(マンガ)の起源をたどると、僧侶に行き着く。正倉院に納められた写経の中に、議論をしている仲間をパロディ化して描いた絵が残っている。
こうした「落書き」は、やがて読者の笑いを誘う意図を持って一つの作品として大成し、平安末期の『鳥獣人物戯画』(国宝)の成立へと至る。本作は庶民の生活や風俗を、擬人化した動物などに演じさせ、ユーモア溢れる姿で描いている。カエルやウサギ、サルなどが遊びや法事を行う甲巻、龍や麒麟などの想像上の動物を羅列的に描く乙巻、闘犬や双六といった人間の賭け事を描いた丙巻、流鏑馬(やぶさめ)や田楽舞(でんがくまい)などの行事と共に人間の様態を描いた丁巻の4巻構成で、甲・乙2巻が平安時代の、丙・丁2巻が鎌倉時代の作とされる。作者には天台座主となった鳥羽僧正覚猷(かくゆう)が含まれていると伝えられる。また12世紀に成立した『信貴山縁起絵巻』(国宝)には、托鉢用の器の上に乗った米倉が空を飛ぶ場面(飛倉の巻)があり、米倉の目線から、米の出し惜しみをする長者や、驚き騒ぐ村人が描かれる。
これら戯画の影響が江戸時代に入ると、略画的タッチで人物や動物などを滑稽に描く鳥羽絵(とばえ)という様式を生み、これが漫画へとつながっていった。
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東京都台東区に所在。「信貴山縁起絵巻」の粉本ほか、重要文化財の「鳥獣人物戯画断簡」が所蔵されている。
京都市東山区に所在。鳥獣戯画等絵巻(探幽縮図)を所蔵のほか、ミュージアムショップでは鳥獣人物戯画グッズも販売されている。