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【国宝】渡辺崋山筆「鷹見泉石像」(江戸時代) / ColBase(東京国立博物館蔵)

肖像画

特定の人物の顔や姿を描いた絵画

肖像画とは、特定の人物の顔や姿を描いた絵画を指す。中でも、作者自身を描いたものは「自画像」と呼ぶ。日本では平安時代の中頃まで、歴史上の高僧や伝説の聖人などを除いて、実在する人物の肖像画が制作されることはほとんどなかった。平安末期から鎌倉初期にかけて、武人・僧侶・天皇など実在する人物を写実的に描いた大和絵「似絵」が盛行して以降、徐々に肖像画の制作が行われるようになった。鎌倉中期には、禅僧の肖像画「頂相(ちんそう)」(師僧が弟子に印可の証として自らの肖像画に賛をして与えたもの)が中国から伝わり、日本の肖像画に影響を及ぼした。江戸時代には肖像画の対象となる階層が広がりを見せるとともに、浮世絵師による木版肖像画が多数制作され、流布している。また、明治時代に入ると、西洋画の影響を受け、油彩による肖像画も描かれるようになった。

一方、海外の肖像画に目を向けると、古代ギリシャ・ローマ時代には既に写実的な肖像画が描かれていたとされる。古代ギリシャ時代の遺品は残っていないが、ポンペイの邸宅の肖像画、エジプトのミイラ肖像画など、古代ローマ時代の肖像画がわずかに現存している。しかし、その後、ヨーロッパ社会にキリスト教が広まると、宗教的な価値観から、世俗的な個人の肖像が絵画に描かれることはなくなった。ヨーロッパにおいて、再び肖像画が広く描かれるようになったのは、14世紀以降のルネサンス期である。肖像画制作の潮流は、当時絵画芸術が隆盛していたネーデルラントから始まり、イタリアやフランスなど他のヨーロッパ諸国にも広まった。16世紀以降、肖像画は絵画の独立したジャンルとして飛躍的な発展をとげ、その描かれる対象も拡張されていく。19世紀に写真が登場すると、「人物の形態を写し取って記録する」という伝統的な肖像画の目的は薄らぎ、肖像画は人物をモティーフとして芸術性を探求するアートへと変貌していった。

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  • 東京富士美術館は、1983年11月3日に東京西郊の学園都市・八王子にオープンしました。「世界市民を育む美術館」をモットーに、世界31カ国・1地域の美術館や文化機関との友好関係を築きながら、各国の優れた芸術を紹介する海外文化交流特別展を企画・開催しています。収蔵品は日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど約3万点に及び、とりわけルネサンス、バロック、ロココ、ロマン主義、印象派、現代にいたる西洋絵画500年の流れを一望できる油彩画コレクションと、写真の誕生から現代までの写真史を概観できる写真コレクションは国内有数のコレクションとして知られています。

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  • 外国人の肖像(肖像画・肖像写真など)について調査可能なウェブサイトや書籍を紹介。

  • 中国人の肖像(肖像画・肖像写真など)について調査可能なウェブサイトや書籍を紹介。

参考文献

  1. 日立デジタル平凡社,平凡社
  2. 宮島新一 著,吉川弘文館
  3. 木村泰司 著,光文社
  4. 青柳正規, 木島俊介, 中野京子 監修,集英社