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日本では古くから生命力の象徴として信仰され、また生活用具、装飾・観賞用など幅広く利用されてきた

イネ科タケ亜科の常緑木質植物のうち大形のものの総称。小形のものはササ(篠、笹)と呼ぶ。世界で116属1400種ほどが知られ、日本ではモウソウチク(孟宗竹)、ハチク(淡竹)、マダケ(真竹)、クロチク、ホテイチク(コサンダケ)など。高さ1mから数十メートルに達し、地下茎を広げて疎林をなすものと、稈(かん)が密生して株立ちになるものがある。開花には数十年を要し、開花後一連の地下茎に連なる稈はすべて枯死する。モウソウチクなどの幼い芽は筍(たけのこ)として食される。竿のほか、建築材、農具、漁具、玩具、楽器、茶道具、華道具、工芸品や装飾品の用材など広く利用される。

日本の竹はマダケが古く、ハチクは8世紀中頃に確認され、モウソウチクは18世紀半ばに薩摩島津氏が琉球経由で移入したことにより本格的に広まったという。『古事記』には、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が櫛を投げつけると笋(たけのこ)が生えたなどの所伝がある。『万葉集』には竹を輪切りにして緒を通した竹玉(たかたま)を手に巻くという神事がみえるが、成長が速く、寒中にも緑を保つなど、その強い生命力から霊力をもつものとされていた。新年の門松や七夕の飾りなどの竹も同様の信仰であろう。

『竹取物語』に「よろづのことにつかひけり<いろいろな事に使っていた>」とあるように早くから用材として重宝し、竹材を使った笙、笛、尺八などは、弦楽器を糸というのに対して竹といわれた。大伴家持の「わが宿のいささ群竹(むらたけ)吹く風の音のかそけきこの夕へかも<我が家の少しばかり群がり生えている竹に吹く風の音がかすかに聞こえる、この夕暮れよ>(万葉集巻十九)」をはじめ多くの歌に詠まれ、「さすたけの」「なゆたけの」などの形で枕詞として、平安期の歌では節(よ、ふし)の掛詞として用いられた。俳諧では「竹の春」「竹の秋」などの季語がある。装飾や鑑賞の対象でもあり、松竹梅、梅菊蘭竹などと並称され、花鳥画の題材などとして賞玩された。荻江節の「竹」は「松」「梅」とともに祝賀曲として知られる。家紋では、上杉家・伊達家の「竹に雀」、「勧修寺笹」、「三つ竹輪違い」などがある。河川の護岸や土止めのため傾斜地に植えられ、また目隠しや日除け、庭木や石の根締(ねじ)め、盆栽など、美観や実用にいろいろな種類が栽植されている。

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  • 竹専門の植物園。約500種類のタケ類を栽植。園内の竹の資料館では、竹笹の標本、民芸品、生活用具、茶道具など竹に関するあらゆる分野の展示物を陳列する。

  • 笹類専門の植物園。国内および海外の笹類を中心に、100種を超えるクマ笹の仲間を集める。植物園エリアは回遊式数寄屋庭園となっており、さまざまな視点から笹の群落が楽しめる。

  • 園内に竹・笹46種の見本林があり、見学可能。

  • 京都府立植物園内にあり、庭園用、竹材、食用など、生活に関わりの深い有用竹笹類約70種を植栽。

  • 全国各地から収集した約110種類の竹を「生態園」に植栽。「竹の資料館」には、京銘竹、エジソン電球、竹の生理・生態を説明するパネル、 京都の伝統的竹製品などが展示されている。

  • 生活用品からインテリア用品、名工の美術工芸品まで、別府竹細工の数々を展示。

  • 「竹林園」は竹を中心に構成された回遊式日本庭園。約4ヘクタールの園内に国内外から集められた160種類を超える竹類が植栽されている。

  • 林野庁のホームページ。日本に生息する主な竹の種類、竹の性質、伝統的な用途、新たな用途などについて解説。

  • 農林水産省によるサイト。生物としての「タケ」に焦点を当て、国内で生育しているタケの種類や特徴、さらにはタケの不思議な生態に迫る。

参考文献

  1. 「竹」の項
  2. 「竹」の項
  3. 日立デジタル平凡社,平凡社
  4. 小学館
  5. 「竹」の項