ペリカン目サギ科の鳥の総称。日本で見られるアオサギ、ゴイサギや、コサギ、ササゴイ、クロサギ、ヨシゴイなど19種を含めて世界各地に72種ほどが分布する。ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギなどは羽が白く、白鷺ともよばれる。嘴、頸、脚ともに長く、頸を乙字形にして飛ぶ。河川、湖沼、海辺などで魚、カニ、貝類、カエル、昆虫などを捕食し、一般に高木に巣をこしらえ、コロニーを形成するが、草原や森林に棲むものもある。
鷺は『古事記』に「掃持(ははきもち)」としてみえ、穢れを払うイメージもあったようだが、『枕草子』では目の印象からか、見た目が見苦しいと断じられている。13世紀(鎌倉時代)には鷺の怪(け)として「白鷺に似た光物が見え、のち赤火のように変じて、飛来の跡は白布を引くがごとき」という怪現象が紹介されている(『吾妻鏡』)。鷺の体が青白く発光するという青鷺火(あおさぎのひ)という伝承は、江戸時代にはかなり知られていた(『和漢三才図会』)。この光は五位の火(ごいのひ)、五位の光ともいわれるが、ゴイは鷺の和名であり、官位の「五位」に由来する。神泉苑から飛び立とうとする鷺が天皇の命令を伝える役人の呼びかけに応えて戻ってきたので、五位の位を授けられたという(『平家物語』)。類似の話は能楽にも取り上げられ、生きた鳥をシテとする特殊な曲として、放たれた鷺の軽やかな喜びの舞「鷺乱(さぎみだれ)」が見どころとなっている。この演者が元服前の少年か、還暦または古稀を超えた老人に限るという慣例は、鷺の白一色の清浄さを尊ぶためと思われる。鷺の異称も、雪客(せっかく)、白鳥、雪鷺(せつろ)など白に関わる。また花鳥画として日本でも親しまれた画題であり、豊かさや子孫繁栄の象徴であるほか、泥湿地に汚れず立つ高潔な姿という印象によるものであろう。
関連するひと・もの・こと
カラス科に属する大形の陸鳥。神に仕える霊鳥であり、また不吉な前兆を伝える不気味な鳥ともいわれる。鷺を神の使いとする神社もみられる。
日本の国鳥。古来、羽根の美しさが称揚され、食肉としても珍重された。鷺(ゴイサギ)などとともに夜間に飛ぶおりその羽が光るという伝承がある。
明治時代に羽毛を取るために乱獲され、絶滅危惧種に指定されている。特別天然記念物。朱鷺(アカサギ、トキ)は、羽毛が淡紅色で、形が鷺に似ているところから鴇(トキ)の異名。
長寿と健康のシンボル。松に鶴のモチーフは多くの絵画に描かれる。長い脚と嘴をもつことなどから、鷺と鶴は似ているといわれる。
日本に冬に飛来する渡り鳥。美味なことから、古くから食用とされた。古典落語の一つ「鷺とり」はもとは上方落語の演目で、東京では雁釣り(雁とり)ともいう。
本で知る
博物誌などにみえる鷺
『庶物類纂』は、加賀藩主前田綱紀が京都の本草学者稲生若水(1655 - 1715)を招いて編纂した博物書。延享4年(1747)完成。中国古典籍類などから動物植物鉱物の記事を集成、分類し、実物によって検証したもので、日本の博物学史上画期的な業績。若水は編纂中に没したが、その後は幕府の官撰事業として若水門下の官医丹羽正伯らが引き継ぎ、全1054巻をもって完成とした。全体を26属(草、花、鱗、介、羽、毛、水、火、土、石、金、玉、竹、穀、菽 、蔬 、海菜、水菜、菌、蓏 、造醸、虫、木、蛇、果、味)に分類。正伯が幕府に献上した浄書本465冊が江戸城紅葉山文庫に保存され、のち内閣文庫に伝来した。重要文化財。
水谷豊文,写
著者の尾張藩士水谷豊文(1779 - 1833)は江戸後期の博物家。小野蘭山(らんざん)に師事し、藩の薬園御用をつとめた。諸国から薬草を採取し、自家薬園で2000種の薬草を育成。本書は『水谷禽譜』の一写本で、514品を収載している。「鷺」の項目では、「大サギ」「コサギ」「アヲサギ」などを紹介。
石顛道人<増山雪斎>//〔画〕,写
増山雪斎(1754 - 1819)は伊勢国長島藩主。正賢、石顛道人などと号し、「百鳥図」など画家としても活躍、文芸に秀でた風雅の人として知られた。
栗本丹州,屋代輪池,写
栗本丹洲(たんしゅう、1756 - 1834)は江戸時代後期の医師、また本草学者であり、多くの図譜を残す。
牧野貞幹//〔画〕,写
常陸国笠間藩4代藩主の牧野貞幹(1787 - 1828)が手がけた鳥類図譜。200種類の鳥を掲載。ゴイサギはペリカン目サギ科の鳥で、全長約60cm。本図では、左に幼鳥、右に成鳥が描かれている。「五位鷺」の名は、醍醐天皇の命によって捕えようとしたところこの鳥が素直に従ったため五位の位を授けたという故事によるもので、幼鳥は「星五位」と呼ばれる。
牧野貞幹//〔画〕,写
常陸国笠間藩4代藩主の牧野貞幹(1787 - 1828)が手がけた鳥類図譜。200種類の鳥を掲載。アマサギは他のシラサギと異なり、繁殖時には頭、首、飾り羽がオレンジ色になる。
鹿持雅澄,写
万葉集に詠まれている動植物計235品を図示し、各品に該当する和歌1首を万葉仮名で挙げる。鹿持雅澄(かもちまさずみ、1791 - 1858)は土佐藩の国学者で、大著『万葉集古義』全141冊を残した。本書および本書に対応する『万葉集品物解』 (文政10 年、1827) はその一部。
毛氏江元寿梅園直脚<毛利梅園>//撰輯,写
江戸時代後期の博物家毛利梅園(1798 - 1851)による鳥類の写生図譜。大半が実写で、正確で美しい写生が特徴。本図「鷺(小サギ)」の他、「蘆五位(ヨシゴイ)」「五位鷺(ゴイサギ)」などを掲載。
服部雪斎//画,写
備後国福山藩医の森立之(1807 - 85)が立案、博物画家服部雪斎が描いた61種(65図)の食用鳥類図説。解説では薬効、能毒、味を記す。
写
本資料は水鳥76品が収録されている図譜。編者未詳であるが、図が秀逸。本図はゴイサギ。
楳嶺,大倉孫兵衛
『楳嶺花鳥画譜』は、江戸時代末期から明治時代初期の日本画家・幸野楳嶺(ばいれい、1844 - 95)の作。花と鳥が1種ずつ描かれた33点の花鳥画がまとめられている。本図は、菖蒲と鷺。
楳嶺
『楳嶺花鳥画譜』は、江戸時代末期から明治時代初期の日本画家・幸野楳嶺(ばいれい、1844 - 95)の作。花と鳥が1種ずつ描かれた33点の花鳥画がまとめられている。本図は、山茶花(さざんか)とアオサギ。
橋爪貫一 編,青山堂
橋爪貫一編。青山堂、明治7年(1874)、東京。鷺類を紹介する。
農林省農務局 編,農林省農務局
農林省農務局編、大正14年(1925)刊行。鳥類の種類の各地域における呼称を調査、収録。鷺科の項目には、コサギ、チュウサギ、ダイサギ、ミゾゴイなどの各地の呼び名が掲載されている。
史書・古典にみえる鷺
太安萬侶 [編],前川茂右衛門
『古事記』上巻に、鷺を掃持とするとみえる。掃(ははき)持は喪屋を掃く箒をもつ役の者とされ、あるいは鷺の頭の冠毛からの連想によるものかという。この国立国会図書館所蔵本は寛永21年(1644)刊。
太安萬侶 [編],前川茂右衛門
『古事記』中巻垂仁天皇条に、鷺巣池の樹に住む鷺とみえる。天皇は占いに当たった曙立王に命じて誓約をさせ、樹上の鷺に落ちよと命じると鷺は池に落ちて死に、誓約に従って生きよと命じると鷺は再生したという。この国立国会図書館所蔵本は寛永21年(1644)刊。
『万葉集』巻第16に「詠白鷺啄木飛歌」として、池神の力士舞かも白鷺の桙(ほこ)啄ひ持ちて飛び渡るらむ、とみえる。この国立国会図書館所蔵本は『万葉集』最古の刊本で、第1冊(巻第1、2)欠。伏見版(円光寺版)の木活字を使用し、不足の文字を新雕し印行したものとされる。万葉仮名の本文のみで、無訓本と通称されるもの。第8冊巻第17は一部飛び丁付(丁付:1-40,51-60)、巻第18の第31、32丁は欠。実業家・古書収集家高木利太(1871-1933)旧蔵。
深江輔仁 奉勅新撰,多紀元簡 [校],和泉屋庄次郎
第15巻にみえ、和名を「佐岐」とする。『本草和名』は『新修本草』所収品の漢名-和名辞書で、深江輔仁(すけひと、生没年未詳)が勅を奉じて延喜18年(918)頃に作成した。すでに散逸した古書からの引用が多いことでも知られる。長く存否不明の書だったが、寛政6年(1794)幕医多紀元簡(もとやす、のち幕府医学館主)が幕府の紅葉山文庫で古写本を発見、それを校訂して刊行。本資料は、考証学者小島尚質(なおかた)・尚真(なおざね)父子の旧蔵書で、諸書を用いて父子がさらに校注を進めたものである。一方、刊行に関連する多紀家の記録も写しており、それによって元簡が幕府の出版許可を得るために提出した文書が判明し、「享和二年(1802)壬戌秋八月廿七日初刷装釘」とあって、出版年が通説の寛政8年(1796)ではないことも明らかになる(『江戸出版書目』によると、出版・販売の許可を得たのは寛政12年12月)。なお、『日本古典全集』に所収されている森立之・約之父子旧蔵『本草和名』刊本への書き込みは、上記多紀家記録を含め、本資料の小島父子書き入れの転写が少なくない。本書刊本には、初版と後刷の2種類がある。初版―表紙は朱色/上巻見返しに出版事項は無し/下巻末尾、「江戸浅草新寺町・和泉屋庄次郎発行」:小島氏本(本書)、121-37本など後刷―表紙は藍色/上巻見返しに出版事項(書名・著者名など)/下巻末尾、「三都発行書林」として9軒の書肆名:特1-218本、『日本古典全集』森氏旧蔵本。
清少納言 [著]
『枕草子』の「鳥は」の段に、鷺は目つきもいとわしく親しみをもていない印象だと断じているが、また「ゆるぎの森にひとりは寝じ」と妻争いをするのがおもしろいという。本資料は、寛永年間(1624 - 44)刊と推定される平仮名交じり13行の古活字本。書名は通称による。各巻末書名は「清小納言」。川瀬一馬著『増補古活字版之研究』にいう第3種本の(イ)種に属するもの。慶長期(1596 - 1615)刊とされる10行本、慶長・元和(1596 - 1624)頃刊の12行本に続いて刊行され、慶安2年(1649)刊の整版本のもととなった。本文は、近世において流布本の位置にあった伝能因所持本系統。巻1‐3の見返しに「敬茂」と墨書される。幕末・明治初期の国学者榊原芳野(1832 - 81)の旧蔵書で、ほかに2種の印記がある。
下村時房
「五位鷺」の名前の由来となった醍醐天皇の故事に関する記述がある。本資料は古活字版の『平家物語』の中でも最初期の、慶長年間(1596 - 1615)の刊行といわれる。巻末の「下村時房刊之」の記載により下村本と称される。『平家物語』には多くの異本があり、普通は語り本系(平家琵琶の伴奏で語られた詞章)と読み本系(読み物として編集)に大別される。一般に流布したのは語り本系で、本書もその一つ。下村時房の経歴は未詳。嵯峨本に似た美麗な活字や雲母刷り文様の表紙(本書は改装)が使われている。活字の部分を切り取り裏から紙を貼って墨書で訂正した個所や、字句の傍らに補記訂正をした個所があるのが注目される。
鷺の怪(け)として白鷺に似た光物が見え、のち赤火のように変じて、飛来の跡は白布を引くがごときという怪現象が紹介されている。本書は鎌倉幕府の歴史を編年体で記述したもの。治承4年(1180)から文永3年(1266)までを収める。戦国時代の武将の間でも愛読され、近世には特に徳川家康がこれを重んじ、伝本の収集に努めるとともに、慶長10年(1605)、いわゆる伏見版の一つ行させた。当館本はこれとは異なる古活字版で、無刊記であるが慶長・元和年中(1596 - 1624)の刊行と推定されている。和風の漢文体で書かれ、片仮名活字が本文中で、平仮名活字が歌や人名の一部などで使われている。承兌による跋文は整版で、伏見版のものがそのまま襲用されている。第1冊目録終葉裏に、「羅浮本云」として林羅山の考証を移写している。全52巻中巻45が原欠。幕末・明治初期の国学者榊原芳野(1832 - 81)の旧蔵書。他に「稽古堂記」「思貽堂図書記」の2印記が押捺されている。
〔伝一条兼良 <イチジョウカネヨシ >//撰述〕,荒木利兵衛
祇園林に住む烏と、糺の森に住む鷺との合戦を擬人化して描く。本書は、室町時代成立の御伽草子の一つ。鴉と鷺の合戦を扱った軍記物語のパロディ。作者は一条兼良(かねら、1402 - 81)とも伝えるが明らかでない。展示本は寛永年間(1624 - 44)刊行の古活字版と同種の活字を用いており、古活字版としてはもっとも時代の下るものの一つとされる。幕末~明治時代初期の国学者榊原芳野(1832 - 81)旧蔵書。
井原西鶴,森田庄太郎,金屋長兵衛
貞享5年(1688)、大坂、 京。『日本永代蔵』巻4に、烏を鷺とごまかすいんちきな見世物をこしらえて商いする利発な男がいると紹介されている。 『日本永代蔵』は、浮世草子、井原西鶴作、吉田半兵衛風画。6巻6冊(合3冊)。京・大阪・江戸を中心に全国の諸都市における町人の興亡盛衰譚を30話収める。商人の日常の処世上の心構えと身の処し方が描かれる。本書には森田版系統と、所収話を地理的に再編した西沢版系統の諸本があり、初版は森田単独版または三都版とする説があるが、国立国会図書館所蔵本は貞享5年刊行の京金屋長兵衛・江戸西村梅風軒・大坂森田庄太郎の三都版の、江戸西村梅風軒の名を削った後印本。榊原家旧蔵本。
松尾芭蕉 [著],小宮豊隆 編,岩波書店
松尾芭蕉に「昼ねぶる青鷺の身のたふとさよ」の句がみえる(『猿蓑』元禄3年)。
寺島良安 編,秋田屋太右衛門 [ほか]
巻五の「水禽」の項目に、サギ、ゴイサギ、アオサギなどが掲載されている。江戸時代中期の大坂の医師である寺島良安(1654-?)編、正徳2年(1712)序、105巻81冊からなる図入り百科事典。明の王圻(おうき)『三才図会』106巻の体裁により、和漢古今の万物を天・地・人の三才(『周易』繋辞伝に由来)に分け、各項目に図と漢・和の名称をかかげて説明をほどこす。中国や日本の古典により大体の説明をし、日本での変化や現状を「按」として追加することで、史的変化を知ることができ、関連項目も掲げられるなど、要領を得た内容になっている。参考書もはなはだ多く、『三才図会』のほかに明の李時珍『本草綱目』など図入りのものは、それを利用し、和漢の古典籍は書名を示し、漢は四部に渡り、和は史書・歌書など広範囲にわたるが、江戸時代に入ってからの著述は、書名を示さずに使用しているものも多い。たとえば、良安にこの編著を思い立たせたであろう中村惕斎編『訓蒙図彙』(寛文6年[1666]刊)は、図も合わせて種々に採用されるほか、人見必大著『本朝食鑑』(元禄10年[1697]刊)、貝原益軒著『大和本草』(宝永6年[1709]刊)や、江戸時代初期刊行の地誌類からも、多くを得たようである。南方熊楠(1867-1941)が少年時に3年をかけて全写した話も有名である。
もっと知りたい
日本に生息する鷺(ペリカン目サギ科の鳥)
ペリカン目サギ科。全長約85cm。シラサギの中で最大種。温帯から熱帯に分布し、日本ではおもに本州以南の平地にすむ。日本では一年中見られるが、冬季南方に渡るものもある。干潟や水田などで魚やエビ、カニなどを捕食する。日本で繁殖する亜種はチュウダイサギと呼ばれる。
田中徳太郎,,,
ペリカン目サギ科。全長約68cm。日本に生息する3種のシラサギ類の一つで、ダイサギとコサギの中間の大きさ。
ペリカン目サギ科。全長約60cm。シラサギの一種で、日本で繁殖する3種のシラサギの中で最も数が多い。ユーラシア大陸南部、アフリカ、オーストラリア等に分布。日本では本州以南で繁殖する。水田、河口、湖畔、海岸などにすみ、小魚、カエルなどを捕食する。
ペリカン目サギ科。全長約52cm。他のシラサギと異なり、繁殖時には頭、首、飾り羽がオレンジ色になる。温帯から熱帯に広く分布し、日本では夏鳥として本州以南で繁殖。九州や南西諸島では越冬するものも多い。
ペリカン目サギ科。全長約60cm。ヨーロッパ、アジア、アフリカ、アメリカに広く分布。日本では本州以南に生息するが、冬期南方に渡るものもある。頭上から背面まで緑黒色で、翼・腰・尾は灰色、下面は白く、後頭部に数本の長い白色の飾り羽がある。幼鳥は全体に褐色で、淡黄褐色の小紋があり、ホシゴイ(星五位)と呼ばれる。
ゴイサギの成鳥。
ゴイサギの幼鳥。
ペリカン目サギ科。全長約95cm。ユーラシア大陸の温帯から熱帯、アフリカ、マダガスカルなどに広く分布。日本では本州と四国では留鳥として一年中見られるが、北海道では夏鳥、九州以南では冬鳥である。
ペリカン目サギ科。全長約50cm。日本の本州、四国、九州、伊豆諸島でのみ繁殖し、冬季には中国南部、台湾、フィリピンなどに渡るが、南日本で越冬するものもある。
ペリカン目サギ科。全長約37cm。日本のサギ類の中では最も小さい種。アジア東部から南部にかけて広く分布。日本では九州地方以北に夏鳥として渡来し、河川や湖沼のアシ原に生息する。全体に淡褐色で、頭と風切羽が淡い黒色。
ペリカン目サギ科。全長約40cm。ヨシゴイよりやや大きい小型のサギ。シベリア南東部から東アジアに繁殖分布。日本には本州中部以北に夏鳥として渡来し、草原やアシ原で繁殖する。雌雄で色が異なる。
田中徳太郎,,,
田中徳太郎,,,
絵画に描かれた鷺
岡崎正也氏寄贈,Gift of Mr. Okazaki Masaya,東京国立博物館,Tokyo National Museum
室町時代、16世紀。重要文化財。六頭の馬をつなぐ厩舎の外に右隻は松、藤、白鷺、亀、左隻には桜に柳、鶴、鴛鴦(おしどり)を描く。駿馬を主題としながら、花鳥画などの要素をとりこみ、吉祥豊かな風景となっている。
伝狩野元信筆,Attributed to Kanō Motonobu,東京国立博物館,Tokyo National Museum
伝狩野元信(1476 - 1559)筆。三幅対で、中央に釈迦、右にゴイサギ、左にセキレイが描かれている。
祖栄筆,By Soei,橋爪幸達氏寄贈,Gift of Mr. Hashizume Kotatsu,東京国立博物館,Tokyo National Museum
祖栄(そえい)は戦国期・織豊期の絵師で、雪村周継の画法を学ぶ。水墨画の人物、花鳥を得意とする。
俵屋宗達筆,By Tawaraya Sōtatsu (dates unknown),東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代、17世紀。俵屋宗達は桃山から江戸初期の画家。琳派の祖。京都の上層町衆に属し、下絵や扇画面を描く「俵屋」を屋号とする工房を主宰していたと考えられている。烏丸光広・本阿弥光悦らと交際があり、独自の斬新な構図と意匠で大和絵を復興した。
狩野尚信,Kano Naonobu,京都国立博物館 Kyoto National Museum,Kyoto National Museum
江戸前期の絵師狩野尚信(1607 - 50)の作。尚信は探幽守信の弟。数え年44歳で没するが、尚信の筆力を再評価するに最も適した優作。
狩野常信筆,By Kanō Tsunenobu (1636–1713),東京国立博物館,Tokyo National Museum
狩野常信(1636 - 1713)は江戸時代前期の画家で木挽町(こびきちょう)狩野家二代。尚信の子で家督を継いで幕府の御用絵師となる。
白隠慧鶴 HAKUIN Ekaku,Heron,sumi on paper,木村定三コレクション / Kimura Teizo Collection
白隠慧鶴(はくいんえかく、1686 - 1769)は臨済宗中興の祖と称される江戸時代中期の禅僧。その布教のなかで禅の教えを表した絵を数多く描く。
円山応挙,Maruyama Okyo,京都国立博物館 Kyoto National Museum,Kyoto National Museum
円山応挙(1733 - 95)作。早期(31-32歳頃)の作品として貴重。賛をした松平敏は応挙の故郷亀山藩の家老。
呉春(松村月渓),京都国立博物館 Kyoto National Museum
重要文化財。江戸時代後期の日本画家で、四条派の祖・呉春(1752 - 1811)の六曲一双屏風。右隻には枯れ木にカラスが群集する秋の情景、左隻には柳の若葉が芽吹く春の水辺で鷺が飛び立つ瞬間が描かれている。
葛飾北斎,Katsushika Hokusai
葛飾北斎(1760 - 1849)は江戸時代後期の浮世絵師。牛堀は霞ヶ浦の東岸、現在の茨城県潮来市に位置する。画面の中央に「苫舟」と呼ばれる霞ヶ浦付近の航行に適した船底の浅い舟が、右下から対角線上に突き出るようにして描かれている。また朝食の支度にかかっているのか、舟から身を乗り出した男は米のとぎ汁を川に流し、その音に驚いた2羽の白鷺が舞立つ様子も捉えられている。大胆な構図の中にも、夜明け前の静まり返った空気を感じさせる抒情性にあふれた作品といえる。
葛飾北斎,Katsushika Hokusai
大野新田は現在の静岡県富士市につくられた新田集落である。大野新田を通る東海道からの富士の眺め。時間帯は東の空が染まる早朝の頃と考えられる。農夫たちが葦を背負った牛を引き連れて歩く様子を捉えている。牛に積まれた葦、また牛の足が一定のリズムで並ぶ様子は滑稽みがあり、先頭を行く農夫とその前を歩く農婦が同じポーズをとっている姿もまた面白い。奥には富士沼が広がり、牛の列に驚いた数羽の白鷺が飛び去る姿が見える。
狩野寛信筆,By Kanō Hironobu (1778–1815),東京国立博物館,Tokyo National Museum
友川こと狩野融川(ゆうせん、1778 - 1815)は江戸時代後期の画家。父の閑川の跡をうけて浜町狩野家を継ぎ、奥絵師となる。
広重〈1〉,-, -
歌川広重(1797 - 1858)は江戸時代の浮世絵師。はじめ役者絵、ついで美人画に手をそめ、文政11年(1828)頃から風景画を主とした。天保1年(1830)頃から花鳥図を描くようになったとされる。
高橋草坪筆,By Takahashi Sōhei (possibly 1802–56),東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代、天保2年(1831)。高橋草坪(そうへい、1804 - 35)は幕末期の文人画家。田能村竹田の高弟で、巧みな構図、精緻な筆致など秀逸な画才をみせた。
工芸品に描かれた鷺(陶磁)
伊万里,Imari ware,東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(17世紀)。初期伊万里には、中皿が遺品として最も多い。染付を型紙の上から吹き付け、型紙をとって白抜き文様を表わす手法は景徳鎮窯に学びながら、瀟條とした気分には伊万里ならではの風韻が伴う。この白鷺を表わす遺品は極めて数が少なく珍重されている。
伊万里,Imari ware,東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(17世紀)。初期伊万里では、茶の湯の器にも魅力のあるものが多く作られた。この向付は、一部を残して銹釉(さびゆう)を掛け、素地の白を活かした白抜き部分には鷺をあらわし、染付で目や輪郭を僅かに描きこんでいる。位の高い大名などの懐石の器を思わせる、瀟洒なつくり。
京焼・御菩薩池,Kyoto (Mizorogaike) ware,東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(17~18世紀)。芦の間を白鷺が群れ飛ぶ印象的な風景。地に銹絵(さびえ、鉄絵)を刷毛目のようにはき、銹絵と黒っぽい発色の染付、それに白泥を用いる。
伊万里,Imari ware,平野耕輔氏寄贈,Gift of Dr. Hirano Kosuke,東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(18~19世紀)。地を濃染めで塗りつぶし、文様を白く抜くことで、白鷺の図が効果的にあらわされている。柳の葉は、墨で文様を描いてからコバルト顔料を塗る墨弾(すみはじ)きの技法が用いられている。このような藍地白抜きの意匠は18世紀の末から19世紀の初頭にかけて流行した。
伊万里,Imari ware,平野耕輔氏寄贈,Gift of Dr. Hirano Kosuke,東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(19世紀)。筆線が伸びやかで、濃淡の濃(だみ)染めの諧調が美しい。墨弾(すみはじ)きの技法が用いられている。
美濃,Mino ware, gray-Shino type,内藤堯宝氏寄贈,Gift of Mr. Naitō Gyōhō,東京国立博物館,Tokyo National Museum
安土桃山~江戸時代(16~17世紀)
工芸品に描かれた鷺(金工・漆工)
東京国立博物館,Tokyo National Museum
平安時代(12世紀)。山形県鶴岡市羽黒山御手洗池出土。平安時代には鏡胎(きょうだい)が薄く余白を大きくとる優美な作風をみせる。
東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(17世紀)。鷺が水辺で踊るように舞い飛ぶ情景が銀粉で描かれる飾り棚。棚板や支柱の直線的な構成と弧を描く網の図柄が調和しており、茶人の好みなどを反映する。
江戸時代(18世紀)。櫃とは、蓋が上に開く大型の箱のことで、本資料は花見や紅葉狩りなど野外の行楽の折に器や料理を入れて運んだものである。蓋と隅切四角形の断面を持つ箱体で、胴の各側面に金色の打ち出し金具で飾った脚がついている。蓋と胴は黒漆地に金平目研ぎ出し蒔絵で、葦原から飛び立つ鷺を躍動感豊かに描いている。明快で力強い高台寺蒔絵の様式がみられるので、18世紀初期の作と思われる。大名婚礼調度に例が少なく、家紋もつけられていない。また、勝興寺へ招来した年代や理由も不詳である。
柴田是真作,By Shibata Zeshin (1807–91),東京国立博物館,Tokyo National Museum
明治時代(19世紀)。金地に黒漆と銀蒔絵を用いて、片面に烏、もう片面に鷺の群を描いている。御伽草子の『鴉鷺(あろ)合戦』から発想を得た作品。柴田是真(1807 - 91)は江戸両国に生まれ、11才で印籠蒔絵師古満寛哉のもとに入門した。明治6年(1873)ウィーン万国博覧会に蒔絵額を出品して進歩賞牌を受賞したのを始め、内外の博覧会で活躍している。晩年には帝室技芸員に任ぜられた名工である。
藤林昌吉作,By Fujibayashi Shōkichi (1859–1938),東京国立博物館,Tokyo National Museum
明治時代(19世紀)。全体に黒漆を塗り、研出蒔絵に描割や蒔暈しを交えて、柳・鷺・芦など水辺の情景を描く。作者の藤林昌吉は、金沢の蒔絵師の家に生まれた人物。空間を広くとった構図や、堅実な蒔絵技法に、伝統的な加賀蒔絵の特色があらわれている。
白山松哉 (1853 - 1923),SHIRAYAMA, Shosai (1853 - 1923)
白山松哉(1853 - 1923)は、明治・大正時代の漆芸家。作風は繊細を極め、とくに精緻な研出(とぎだし)蒔絵の技術は他に比類がなく、近代漆工界の第一人者であった。
加納夏雄作,By Kanō Natsuo (1828–98),シカゴ・コロンブス世界博覧会事務局寄贈,Gift of Japan Delegate Office for World's Columbian Exposition, Chicago,東京国立博物館,Tokyo National Museum
四分一(しぶいち)(銅と銀の合金)の地金(じがね)に葦(あし)を片切彫りで、鷺(さぎ)の群れを金、赤銅(しゃくどう)(銅と金の合金)、白四分一などを用いて平象嵌(ひらぞうがん)で表わしている。明治26年(1893)のシカゴ・コロンブス世界博覧会に出品され、金属によって絵画表現を試みた作品として高い評価を得た。
川島孝一作,By Kawashima Kōichi,東京国立博物館,Tokyo National Museum
川島孝一は、羽後国村山郡山形銅町(山形県山形市)に居住し、幕末から鋳工業を営んだ。この花瓶は、明治10年(1877)の第一回内国勧業博覧会に出品されたもので、デザインはやや平面的だが、蓮の虫喰いや茎は極めて写実的で、全体に技巧が凝らされた表現がなされている。
紐通し朱漆銘「塩見政景」,クインシー・A.ショー氏寄贈,Gift of Mr. Quincy A. Shaw,東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(19世紀)。金・銀研出蒔絵。
底裏金蒔銘「常嘉斎」,クインシー・A.ショー氏寄贈,Gift of Mr. Quincy A. Shaw,東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(19世紀)。金・銀研出蒔絵。
底裏陶片嵌装銘「観」,クインシー・A.ショー氏寄贈,Gift of Mr Quincy A. Shaw,東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(19世紀)。笠翁細工(金薄肉高蒔絵・陶片嵌装)。
クインシー・A.ショー氏寄贈,Gift of Mr. Quincy A. Shaw,東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(19世紀)。象牙、貝片嵌装。
クインシー・A.ショー氏寄贈,Gift of Mr. Quincy A. Shaw,東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(19世紀)。底裏金蒔銘「桃葉(花押)」。銀地研切蒔絵。
衣装に描かれた鷺
東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(19世紀)。細かい皺(しぼ)を出した絹織物である縮緬に水辺模様を表した小袖。波模様を細い線で白く染め上げ、萌黄(もえぎ)・鶸色(ひわいろ)・紅・藍(あい)・黄などの絹糸で葦模様を刺繡(ししゅう)。鷺も刺繡である。三つ葉葵紋を白く染め上げた腰下模様の小袖は徳川家の大奥から御殿女中が拝領したものか。
東京国立博物館,Tokyo National Museum
江戸時代(19世紀)。網干の見える水辺の風景に鷺が飛ぶ風景模様を刺繍で表わす。風景とは無関係に菊花や竹など好まれた草花模様をちりばめるデザインは、武家女性が着用する小袖の様式の1つである。武家女性の定紋は通常白抜きに上絵である。金糸による藤巴紋は後補であろう。
吉田家よりご寄贈いただいた着物は全部で九点である。これらの着物は全て、和裁を教えていた包春の妻愛子が仕立て、包春が正倉院文様を描いたものである。「羽二重緑地桔梗文裾模様 正倉院山水絵図密陀絵盆文様(No.48)」は、「密陀絵盆 山水絵図(No.13)」や「密陀絵盆之図屏風(No.21)」と同様に、包春が好んで用いた図柄である。また、「絽紺地裾暈し単 千鳥・撫子・女郎花文(No.45)」には、包春手書きの和歌が鏤められている。
京都国立博物館 Kyoto National Museum,Kyoto National Museum
江戸時代。波・桜花の一部を白上げとし、それに繍を加えている。
京都国立博物館 Kyoto National Museum,Kyoto National Museum
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福井県を横断する九頭竜(くずりゅう)川の上流では冬を前にアユが群れ、このアユを狙ってカワウや、アオサギ、ダイサギがやってくる。2008年放送。
関東平野北部の喜連川(きつれがわ)丘陵、9月その谷あいに連なる谷津田では稲刈りが始まるとカエルをねらってサギの仲間が集まる。2009年放送。
日本で初めて世界遺産に登録された姫路城(国宝)は、鷺が羽ばたく姿にたとえて白鷺城とも呼ばれる。城を白く見せているのは、白漆喰(しろしっくい)です。2011年放送。
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三重県の公立博物館。自然科学系の展示が充実しており、鷺の剥製も多数所蔵する。
国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館です。国内外の資料・情報を広く収集・保存して、知識・文化の基盤となり、国会の活動を補佐するとともに、行政・司法及び国民に図書館サービスを提供しています。
1877(明治10)年に創立された日本で最も歴史のある博物館の一つであり、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館。生物標本から地質・理工・科学史など多岐にわたる資料を保存している。
日本と東洋の文化財を守り伝える中心拠点としての役割を担う我が国の総合的な博物館です。
日本と東洋の文化財を守り伝える中心拠点としての役割を担う我が国の総合的な博物館です。
平安時代から江戸時代の京都文化を中心とした文化財を取り扱う地域に根ざした博物館です。
東京富士美術館は、1983年11月3日に東京西郊の学園都市・八王子にオープンしました。「世界市民を育む美術館」をモットーに、世界31カ国・1地域の美術館や文化機関との友好関係を築きながら、各国の優れた芸術を紹介する海外文化交流特別展を企画・開催しています。収蔵品は日本・東洋・西洋の各国、各時代の絵画・版画・写真・彫刻・陶磁・漆工・武具・刀剣・メダルなど約3万点に及び、とりわけルネサンス、バロック、ロココ、ロマン主義、印象派、現代にいたる西洋絵画500年の流れを一望できる油彩画コレクションと、写真の誕生から現代までの写真史を概観できる写真コレクションは国内有数のコレクションとして知られています。
愛知県名古屋市の中心部、栄に1955年に開館した「愛知県文化会館美術館」を前身とする愛知県美術館は、都市型の複合的な文化施設である愛知芸術文化センターの中の美術館として、1992年に開館しました。20世紀の美術を中心に、考古から現代美術にわたる約8,000件のコレクションを有し、また幅広いジャンルの展覧会を多数実現しています。地域の中核的な美術館として、より創造的で多様性に富む社会の実現に寄与すべく、美術・文化の発振地となることを目指しています。
ジャパンサーチの外で調べる
日本に生息する野鳥の写真と解説を種類別で掲載。ペリカン目サギ科の18種類を紹介する。
SUNTORYが運営する鳥の百科事典。特徴や鳴き声で検索することができる。
日本でよく見かける6種類のサギについて、その区別のしかたや行動について紹介。(文:ミュージアムパーク茨城県自然博物館)
参考文献
- 「鷺」の項
- 「鷺」の項
- 「鷺」の項
- 責任表示
- 国立国会図書館
- 二次利用について
ただし、画像は個々の権利表示による
- 最終更新日
- 2023/03/07