菊
日本の代表的な花。皇室の紋章に使用され、日本の国花ともされている
広義にはキク科キク属Chrysanthemumに属する花のきれいな宿根草の総称、狭義にはそのなかの1種、イエギクとも呼ばれて花を観賞するための栽培ギクを指す。比較的耐寒性のある宿根草で、葉は互生し、花は中心部に小さな筒状の筒状花が、周囲に花弁状の舌状花が多数集まった頭状花である。中国に自生するチョウセンノギクとシマカンギクが交雑され育成されてできたとする説が有力である。日本には奈良時代に渡来し、平安時代には宮廷で栽培されたが、江戸時代には庶民のあいだで栽培が急速に広まり、明治以降さらに発展した。現在でも「菊合せ」や「菊大会」などの名で品評会が行われており、菊細工や菊人形が作られている。
鉢物、切り花用などとして広く栽培され、多くの園芸品種がある。花の大小、花弁(舌状花)の形や色などさまざまで、花の大きさにより大菊、中菊、小菊に、花弁の形質や姿勢により細かく分けられる。大菊は頭花の径20cm内外のもので、厚物(あつもの)、管物(くだもの)、広物(ひろもの)に分けられ、中菊は頭花の径10cm内外のもので、肥後菊、嵯峨(さが)菊、伊勢菊などがある。小菊は径5cm以下のものをいう。
17世紀に日本のキクがオランダに渡りヨーロッパに広まった。ヨーロッパでも古くから品種改良が盛んで、これら東洋のキクが洋ギクとして日本に戻り、切り花や鉢植えギクとして利用されている。ほかに、花を食用にする品種があり、食用ギクあるいは料理ギクとよばれ、主に東北地方で栽培されている。またシロバナムシヨケギク(ジョチュウギク)が薬用として利用される。
広義のキクとして、日本に野生するキク属植物は、ハマギク、イソギク、ノジギクなど20種ほどあり、外来種のシュンギクが野菜として、マーガレット、フランスギク、シャスタデージーなどが観賞用に栽培されている。
菊は中国では、梅、竹、蘭とともに「四君子」の一つに数えられ、薬としても重用された。日本での栽培の最初の記録は寛平4年(892)成立の『類聚国史』にあり、『古事記』や『万葉集』に記事や歌はみられない。古来、紋章にも用いられたが、皇室の紋章となったのは鎌倉期以後で、明治4年(1871)には皇族以外での菊花紋の使用が禁止された。天皇家は16花弁八重菊、皇族は14花弁裏菊と定められている。
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山形県南陽市で毎年行われる菊まつり。菊人形も展示。
毎年11月に菊花壇展が開催される。
日本全国菊花大会が行われている。
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植物・花の基本情報、育て方などを「趣味の園芸」講師陣の専門家が執筆。園芸相談Q&Aや特集コーナーがある。「NHKみんなの趣味の園芸」(NHK出版)公式サイト。
国立科学博物館附属自然教育園(東京都港区)内に生息している生物の種名や写真を調べることができる。
国立科学博物館筑波実験植物園(茨城県つくば市)内の植物を検索することができる。研究者ノートなど専門的な解説もあり。
種類、栽培方法、調理法など菊に関する情報を写真付きで詳しく解説している。
参考文献
- 日立デジタル平凡社,平凡社