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渡り鳥で、日本には春に飛来する。人家に巣を作る習性により昔から親しまれている。

ツバクロ、ツバクラ、ツバクラメなどの別称がある。一般に渡り鳥で、日本でも代表的な夏鳥。春に渡来して市街地や村落などで営巣、繁殖した後、夏に川原、湖沼、水田、海岸などで数百-数千羽で集まってから秋に渡去する。渡りについて知られていなかった昔、ツバメは「常世国/常磐の国から来る」「木の穴や泥のなかで冬を越す」などと考えられ、異界と現世を結ぶと捉えられた。特に水界と結びつけられる例は世界的に多く、日本でも雨乞いの儀式でツバメが使われた。また子育ての様子も間近で見られることから子への愛情が深い鳥と捉えられ、ツバメが巣の中に残す貝を人へのお礼とし、これを安産のお守りとする信仰があった。卵やヒナを襲った蛇を親鳥が仇討ちする話なども伝えられている。『竹取物語』の「燕の子安貝」も、こうしたツバメの習性の観察に由来すると考えられる。

ツバメは農民にとって害虫を食べてくれる益鳥であり、軒下に営巣する身近さもあって、ツバメを殺すと災厄に見舞われる、ツバメが巣をかけるとその家に幸運が訪れる、逆に途切れると家が傾くなどと語られた。毎年同じつがいが飛来する習性から、『今昔物語』には、オスを殺してメスのみ放したところ、次の春にはそのメスだけで飛来し、貞操を示したという話もある。

ツバメの渡来は春の訪れを象徴し、入れ替わるように同じく渡り鳥であるガンが去ることから、燕と雁は対照的に扱われてきた。春は、柳も芽吹いて葉が瑞々しいため、柳と燕の組み合わせがモチーフとして好まれた。


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  • 国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館です。国内外の資料・情報を広く収集・保存して、知識・文化の基盤となり、国会の活動を補佐するとともに、行政・司法及び国民に図書館サービスを提供しています。                                             

  • 日本と東洋の文化財を守り伝える中心拠点としての役割を担う我が国の総合的な博物館です。葛飾北斎「紫陽花に燕」、歌川広重作品などを所蔵。

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  • 愛知県名古屋市の中心部、栄に1955年に開館した「愛知県文化会館美術館」を前身とする愛知県美術館は、都市型の複合的な文化施設である愛知芸術文化センターの中の美術館として、1992年に開館しました。20世紀の美術を中心に、考古から現代美術にわたる約8,000件のコレクションを有し、また幅広いジャンルの展覧会を多数実現しています。地域の中核的な美術館として、より創造的で多様性に富む社会の実現に寄与すべく、美術・文化の発振地となることを目指しています。「志野飛燕文香合」、「金銅燕」などを所蔵。

  • 早稲田大学の図書館です。惺々暁斎(河鍋暁斎)による『伊蘇普物語』の「裁判所の燕の話」を所蔵。

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  • SUNTORYが運営する鳥の百科事典。フリーワードや特徴、鳴き声で検索できる。イラストや写真も豊富。

  • 日本野鳥の会が運営するサイト。野鳥に関する様々な情報を知ることができる。膨大な数の投稿写真は、検索しやすいように分類されている。

  • 環境省(当時は環境庁)が主催した「緑の国勢調査」のうち、第5回ではツバメの巣が調査対象に入った。調査結果をweb上で読むことができる。

参考文献