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歌仙絵(柿本人麿)(近衛信尹賛) / 斯道文庫

近衛信尹

安土桃山時代の公家。能書家として知られ、本阿弥光悦 、松花堂昭乗とともに「寛永の三筆」とも称される

1565-1614(永禄8-慶長19)

安土桃山時代の公家。摂関家筆頭の近衛家第17代当主。父は近衛前久(このえさきひさ)。初名信基(のぶもと)、信輔(のぶすけ)。法号三藐院(さんみゃくいん)。天正5年(1575)織田信長の加冠(かかん)により元服。諱(いみな)の「信」は信長の名から一字を譲り受けたもの。天正8年(1578)内大臣、13年(1583)左大臣となるが、関白就任をめぐって現職の関白であった二条昭実(にじょうあきざね)と争論して豊臣秀吉の介入を招き、秀吉の関白就任を導く結果となった。天正19年(1591)関白の職が秀吉から豊臣秀次に譲られた頃から精神の平衡を欠いた振舞いが取沙汰され、文禄元年(1592)正月に左大臣を辞職。さらに同年12月には朝鮮に渡ると称して文禄の役の最前線である肥前名護屋に独断で赴くなど、摂関家の当主にあるまじき行動をとがめられて勅勘(ちょっかん)を蒙り、文禄3年(1594)4月に薩摩国坊津(ぼうのつ)に配流(はいる)された。坊津に配流された期間は2年ほどで、慶長元年(1596)9月に許されて帰京。帰京後はふたたび順調に昇進を重ね、慶長6年(1601)左大臣に再任、10年(1605)に関白・氏長者(うじのちょうじゃ)・准三宮(じゅさんぐう)となった。この間、男子に恵まれなかったため、後陽成天皇の皇子(母は信尹妹)であった二宮(にのみや)を養子に迎えて嗣子とし、二宮はのちに近衛信尋(このえのぶひろ)として近衛家を継いでいる。

薩摩からの帰京以後、関ヶ原の戦いから大坂の陣にいたる、幕府と豊臣家の対立がエスカレートする複雑な政治情勢の渦中において、朝廷の中心人物として難局に対応するが、大坂冬の陣の最中の慶長19年(1614)11月25日に50歳で病死、東福寺に葬られた。法名は三藐院同徹大初。禅を大徳寺の春屋宗園(しゅんのくそうえん)・古渓宗陳(こけいそうちん)両和尚に学び、沢庵宗彭にも参じたほか、和歌・連歌・絵画にすぐれた。また、書道においては力強く豪快な書風で一派を成し、三藐院流、あるいは近衛流と呼ばれたその書流は、嗣子信尋をはじめとする公家階層、武家や町人層にまで広く行われた。本阿弥光悦、松花堂昭乗ととともに「寛永の三筆」とも称されるが、この名称ははるか後年に生じたものである。日記に『三藐院記』があり、文禄元年(1592)から慶長15年(1610)までの分が断続的に残されている。

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  • 「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」をコンセプトにした博物館です。

  • 平安時代から江戸時代の京都文化を中心とした文化財を取り扱う地域に根ざした博物館です。

  • 近衞家に長年にわたって伝襲した、大量の古文書および古典籍、ならびに若干の古美術工芸品を一括して保存管理している、特殊な歴史資料館。近衛家歴代当主の日記・文書を所蔵し、近衛信尹関係の史料も多数含まれる。

  • 160年を超える慶應義塾の歴史のなかで集積された学内の文化財や学術資料を相互に連携させ、活用し保存する新たな施設。「センチュリー赤尾コレクション」は、「センチュリー赤尾コレクション」は、旺文社の創業者である赤尾好夫によるコレクションで、近衛信尹の自筆史料が多く所蔵されている。

ジャパンサーチの外で調べる

  • 陽明文庫の所有する近衛家関係の資料のなかから、「一般文書目録資料 書状」のデジタルデータを閲覧・ダウンロードができる。近衛信尹、近衛信尋、近衛前久(信尹父)などの書状が多数含まれている。

  • 早稲田大学図書館が所蔵する古典籍について、その書誌情報と関連研究資料、さらには全文の画像を、学術研究に資する目的で広く全世界に公開する。近衛信尹・信尋の父子の書状、三藐院流の名手・和久半左衛門の書状を閲覧することができる。

参考文献

  1. 橋本政宣 著,吉川弘文館
  2. 「近衛信尹」の項目。
  3. 「近衛信尹」の項目。
  4. 「近衛信尹」「三藐院記」の項目。
  5. 波多野幸彦 著,思文閣出版
  6. 至文堂 編,国立文化財機構 監修,ぎょうせい
  7. 小松茂美 著,講談社