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テッポウユリ『本草図譜』 / 国立国会図書館デジタルコレクション

ユリ

バラと並んで、古来より洋の東西を問わず親しまれてきた花。日本原産のものから多くの園芸種が作られている。

ユリ科ユリ属の総称。北半球の温帯域に約115種が分布し、東アジアに種数が多い。日本に14種ほど自生する。観賞用に栽培されるものも多く、園芸品種も数多く作り出されている。多年生で地下には鱗茎(りんけい)があり、茎は直立する。葉は互生ときに輪生)。花はふつう大型で漏斗状または鐘形、花色は白、淡紅、紅、黄などさまざま。花被片(かひへん)6枚、おしべは6本で、葯(やく)は花糸にT字状につく。

琉球列島原産のテッポウユリは高さ1mにもなり、花は大輪でらっぱ形、純白色で芳香が強い。明治初期に欧米に紹介され、愛好された。とくに復活祭に用いられるイースター・リリーとして大流行し、現在も定着している。シーボルトは「日本植物誌」でカノコユリを紹介したが、彼の標本にはヒメユリ、テッポウユリ、オニユリ、スカシユリなどユリ属のものが多い。日本ではヤマユリ、オニユリなどの鱗茎を「ユリ根」として食用・薬用にしていたが、花の観賞はあまりなされなかった。和菓子にもユリ根を使ったきんとんやねりきりがある。

明治維新以降、大輪のユリの花は欧米で人気を博し、ユリの鱗茎(球根)は絹に次ぐ第2の主要輸出品として外貨獲得に貢献した。さらに1970年代には、オランダで「ユリの女王」といわれる「カサブランカ」が作出された。これも日本のヤマユリ、カノコユリ、タモトユリなどが原種である。しかし吐噶喇列島口之島(とかられっとうくちのしま)の固有種であったタモトユリは野生絶滅といわれている。

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  • 西武鉄道が運営し、埼玉県所沢市が後援するユリ園。毎年6~7月には50種類のユリを見ることができる。

  • 滋賀県高島市にあるフラワーパーク。毎年7~10月には多くのユリが咲き、ゴンドラに乗って空中から見ることもできる。

  • 国立国会図書館は、国会に属する唯一の国立の図書館です。国内外の資料・情報を広く収集・保存して、知識・文化の基盤となり、国会の活動を補佐するとともに、行政・司法及び国民に図書館サービスを提供しています。                                             

  • 国立科学博物館は、明治10年(1877)に創立された日本で最も歴史のある博物館の一つで、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館。生物標本から地質・理工・科学史など多岐にわたる資料を保存している。国立科学博物館の筑波実験植物園(つくば植物園)は茨城県つくば市に所在し、多くのユリが植えられている。

参考文献