鵜
水中で魚を捕らえる習性から、古来漁に利用されてきた水鳥
カツオドリ目ウ科の鳥の総称。海や川辺などに群生する水鳥で、羽は黒く、くちばしは細長く鋭い。水に潜って魚を捕獲し、水面に浮上してから丸吞みする習性がある。世界に約30種類が生息し、日本ではウミウ、カワウ、ヒメウ、チシマウガラスが見られる。水中で魚を捕らえる習性から、日本や中国では飼いならした鵜を使って鮎などの魚をとる漁(鵜飼)が行われている。
日本における鵜飼の歴史は古く、群馬県や大阪府の古墳(5世紀頃)から、鵜飼を表現したと考えられる水鳥形埴輪が出土している。文献をひもとくと、7世紀成立の中国の史書『隋書(ずいしょ)』の倭国(わこく)に関する条に鵜飼に関する記述があるほか、正倉院宝物の大宝2年(702)御野(美濃)国の戸籍に、「鵜養部目都良売(うかいべのめづらめ)」という人物の名が確認できる。また、天長10年 (833)に成立した『令義解(りょうのぎげ)』(『養老令』の公的解釈を示した書)の職員令には、宮内省大膳職雑供戸の項に「鵜飼」が見える。
平安遷都以降も宮内省による鵜飼は引き継がれ、京都近郊の宇治川や桂川で捕獲された新鮮な魚が天皇に献上された。その後、武家社会では大名が特定の鵜飼に「鵜匠(うしょう)」の名と河川利用の特権を与え、アユを納めさせる「鵜匠制度」が確立する。このように、日本の鵜飼は朝廷や大名など権力と密接に結びついてきたが、一方で、民間の鵜飼も各地で行われてきており、その数は100カ所以上にも及んだと類推されている。
現代では、岐阜県の長良川、京都府の宇治川、愛知県の木曽川などで、ウミウを使った観賞用の鵜飼が行われ、長良川では宮内庁の鵜匠による御料鵜飼も催されている。鵜および鵜飼は日本文学の題材としても古くから用いられ、『古事記』『日本書記』『万葉集』『源氏物語』などに登場する。
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岐阜市を代表する伝統文化「長良川の鵜飼」を分かりやすく紹介、情報発信する施設。鵜飼漁で使われる用具などの実物資料や漁や暮らしの様子が分かる映像・写真資料などを展示。
1877(明治10)年に創立された日本で最も歴史のある博物館の一つであり、自然史・科学技術史に関する国立の唯一の総合科学博物館。生物標本から地質・理工・科学史など多岐にわたる資料を保存している。
三重県の公立博物館。自然科学系の展示が充実しており、カワウの剥製も所蔵する。
日本に生息する野鳥の写真と解説を種類別で掲載。ヒメウ、カワウ、ウミウなどを紹介。
岐阜市歴史博物館の所蔵する、絵画や工芸品をはじめとした鵜飼の資料を掲載。
参考文献
- 可児弘明 著,中央公論社
- 「鵜」の項
- 「鵜」の項
- 「鵜」の項