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久留米絣について

久留米絣とは、福岡県久留米市で約200年の歴史を持つ伝統的な藍染めを主体とした木綿の織物です。その歴史を、ぜひご覧ください。

館長からの挨拶:

こんにちは。本展示を見てくださってありがとうございます。久留米絣に興味があって見てくれている人。そうでない人。どちらもいると思いますが、この展示を見て久留米絣への興味が少しでもわいてくれると、嬉しいです。実際に着てくれるともっと嬉しいです。それでは、展示を見ていきましょう。

この展示について:

展示を見る前に、この展示について、軽くお話しします。この展示では、先ほどもいったように、久留米絣の展示をしています。久留米絣とは、江戸時代後期、福岡県久留米市に生まれた一人の機織りが上手い少女から始まりました。その少女は、たちまち有名になり、今ではその少女が考案した一つの織物は、無形文化財になりました。久留米絣はどのようにして生まれ、どのように発展したのか、一緒に久留米絣の歩んだ歴史を一緒に見てみましょう。

展示

  • 〔右〕井上伝の遺品。地機で使った大きな杼(57cm),くびり用の経尺,めがねなど。久留米絣協同組合蔵。

    山口直

    館長からの一言:

    江戸時代後期に生まれ、後に久留米絣を生み出した井上伝の遺品である。彼女は幼い頃から機織りの才能を発揮し、12〜13歳の時にはすでに大人よりも上手におることができたと伝えられている。その卓越した技術と観察力は当時から周囲を驚かせていた。ある日、藍染の布に偶然現れた白い斑点に目を留めたことをきっかけに、その模様を意図的に生み出す方法を考案した。これが後に久留米絣へと発展する技法の原点になったとされている。彼女のひらめきと工夫は、現在まで受け継がれる久留米絣の礎を築いたのである。

  • 井上伝墓.久留米市

    撮影者不詳

    館長からの一言:

    1869年に亡くなった、久留米絣の創始者である井上伝の墓である。明治時代に入り、殖産興業政策や文明開化の影響によって久留米絣は大きく発展し、全盛期を迎えることとなった。しかし、井上伝はその繁栄の姿を見ることなく生涯を終えた。久留米絣の礎を築いた人物でありながら、その発展を見届けられなかったことが悔やまれる。

  • 久留米絣.年産90万反,約10億円.久留米市

    撮影者不詳

    館長からの一言:

    久留米絣を織っているところの写真。題名からこの時代は久留米絣をとてつもない量生産しており、その売り上げは当時の10億円にもなったことがわかる。また、久留米絣の全盛期は200万反以上生産されていたとも言われており、いかに久留米絣が人気だったかがわかる。

  • 〔左〕明治20年ごろまで久留米絣の手織りに使われた地機。福岡県指定文化財。久留米絣技術保存会蔵。

    山口直

    館長からの一言:

    明治20年は、久留米絣が大きく発達した時期の一つである。明治時代になり「殖産興業」政策や文明開化により各地の織物産業が大幅に発達し、全国へと普及していった。当時使用されていた地機は、高度な技術を支える重要な道具だった。

  • 松枝玉記(1905-1989) 久留米絣・藍染 [撮影 昭和55年(1980)]

    髙木康允

    館長からの一言:

    久留米絣技術保持者会会長であり、重要無形文化財「久留米絣」の藍染部門の第一人者であり人間国宝の松枝玉記の写真。亡くなる9年前でも久留米絣を織っていることから、彼の久留米絣への熱が伝わってくる。

展示を見終わった人へ:

久留米絣の歩んだ歴史、どうだったでしょうか…。僕もこの展示を作っていて、先人たちの息遣いを感じる瞬間がありました。

二百年以上前、井上伝が生み出した一枚の絣から始まった物語は、やがて筑後の地に広がり、多くの人の手によって受け継がれてきました。糸をくくり、藍で染め、織り上げる。その一つひとつの工程に、暮らしと祈り、そして誇りが込められています。

時代の波に揺られながらも、久留米市を中心に守られてきた久留米絣。機械化や生活様式の変化の中で、消えかけた灯をもう一度ともそうとした人たちがいました。その想いがあったからこそ、今、私たちはこの布に出会えています。

この展示が、単なる「昔の織物」ではなく、今も続く営みとしての久留米絣を感じるきっかけになっていたなら、とても嬉しいです。

どうかこれからも、糸の向こうにある物語に、少しだけ思いを巡らせてみてください。

展示関連イベントのお知らせ:

https://www.hikarie8.com/d47museum/2026/02/post-156.shtml

福岡県八女市を拠点に地域文化商社として活動する「うなぎの寝床」さんが、久留米絣の成り立ちや文様に込められた願いに着目した展示販売会とトークイベントを2026年3月15日まで行なっています。詳しくは03-6427-2301まで。