FAQ(よくある質問)
出典:「デジタルアーカイブ活動」のためのガイドライン(デジタルアーカイブジャパン推進委員会実務者検討委員会,令和5年9月)(外部リンク)をウェブで紹介するためのページです。ここでは、FAQ(よくある質問)【PDF153KB】を紹介しています。
※ガイドライン本文 ウェブページ PDF(2.8MB)
Table of Contents
※ジャパンサーチとの連携に関するご質問は、「連携に関するQ&A」のページも参照ください。
Significance and benefits of Digitization
Q:アーカイブ機関にとってデジタル化のメリットは何ですか。
A:アーカイブ機関が保有するコンテンツをデジタル化する最大のメリットは、「時間や場所を問わず、所蔵コレクションの利用が可能になること」です。さらに、デジタル化したコンテンツをウェブ上に公開することによって、多くの人々に知ってもらえる機会が増えます。実物の資料や作品に対する理解が深まり、実物へのアクセスが増えることで、アーカイブ機関の存在価値が高まるなどの効果が期待されます。
Q:アーカイブ機関のデジタル化によるメリットは、所蔵コレクションや所蔵機関の認知度向上以外に何かありますか。
A:デジタル化によりメタデータの整備を進めることで、それまで同一機関内で個別に管理していたデータの組織内の共有が進みます。それにより、業務の効率化等につながることが期待できます。また、公開方法によっては、画像の提供や作品サイズ等の確認といったことが可能になるため、データや情報提供にかかっていた人的コストの削減につながるというメリットもあります。
Q:なぜメタデータを整備しなければいけないのでしょうか。
A:上記のようなメリットを十分に活かすためには、「検索で見つけてもらえること」が最大のカギとなります。その際、アーカイブ機関が保有するコンテンツの情報を適切に提供することが重要です。簡単なメタデータだけでは、目的や内容から検索することが難しくなります。様々な「つなぎ役」と連携し、より広く活用してもらうためには、より整備されたメタデータが求められます。また、コンテンツの来歴や権利関係に関する情報をメタデータとして管理することは、データを長期に保存し運用するためにも重要です。
Construction of "Digital Archive"
Q:デジタルアーカイブを構築するに当たっては、考えておくべき作業にはどのようなものがありますか。
A:デジタルアーカイブの構築には、デジタル化対象資料の選定、デジタル化仕様の検討、メタデータ項目の検討、著作権処理、システム仕様の検討、デジタルアーカイブの活用想定など様々な作業を伴います。
Q:デジタル化の仕様については、具体的に何を検討する必要がありますか。
A:デジタル化の目的、分野、対象資料によって検討すべき内容は異なります。詳細は、本ガイドライン付属の「確認すべき標準・マニュアル・手引き等」の(デジタル化に関するもの)をご参照ください。
Q:著作権処理に当たって、どのような点に留意すべきでしょうか。
A:本ガイドラインの本文のⅡ4(1)「利用条件の表示」をご参照ください。
Q:デジタルアーカイブ公開後に行う活動を教えてください。
A:デジタルアーカイブは公開が最終目標ではなく、それが様々な用途で活用されていくことが大切です。デジタルアーカイブの構築段階から、具体的な活用イメージをもっておくと、メタデータ整備や著作権処理のプロセスにおいて作業内容がより一層明確になるでしょう。デジタルアーカイブ公開後の活用を想定するに当たっては、本ガイドライン付属の「事例集」をご参照ください。
Related to openness
Q:デジタルデータを公開してオープンにすると来館者が減りませんか。
A:デジタル化してウェブ上に公開することで、むしろ来館者が増えることが報告されています。ウェブで見て満足するよりは、そこで得た体験をきっかけに実物の資料や作品への関心を深めて現地に足を運ぶという行動につながるようです。
Q:デジタル化し、公開したら、問い合わせが増えて、その対応が大変ではありませんか。
A:デジタル化することによって活用が広がることは、所蔵する資料や作品の価値を高めることにつながります。また、問い合わせの実績は、アーカイブ機関の資料や作品への関心の高さを測る指標にもなりえますので、一概にデメリットといえない側面もあります。
Q:データをオープンにすると、どのように使われたか把握できなくならないでしょうか。
A:データをオープンにすると、利用申請等が不要になりますが、コンテンツのページに利用条件とともに使用用途報告用のフォームを設けたり、コンテンツのダウンロードページからログを採取したりするという例があります。こうした工夫をすることで、これまで以上に多くの人々にコンテンツを利用してもらうと同時に、使用用途の把握も可能になると考えられます。あわせて、オープン化をきっかけに、これまでの評価指標を申請件数からコンテンツへのアクセス数に変更するなど、適切な評価指標を検討するのも良いかもしれません。
Q:データをオープンにして、改変されると、資料や作品の価値が下がりませんか。
A:基本的に、自分たちの機関が真正性の高いデータを保持し、他機関との共有や公開を行っていれば、不自然に改変されたデータは淘汰されますし、そうした改変は、自ずと批判が集まることも考えられます。言い換えれば、真正性の高いデータを持続的に保持し続ける使命が自らの機関にはあるという根拠にもなります。なお、正当な目的の改変であれば、通常は資料や作品を多く知ってもらう機会になることが多いです。
Q:現在写真データを有償頒布していますが、その売上が下がりませんか。
A:高精細画像は有償頒布としつつ、画質を落としたデータを自由に利活用できるようオープン化し、有償頒布と自由な利用の両立を図っている機関もあります。データをオープン化することで、多くの人の目に触れる機会が増え、結果として高精細画像の有償利用が増えることも考えられます。
Q:利用条件の設定を行うときに、資料や作品そのものの著作権に加えて、撮影者やデータ作成者の著作権も発生する場合があります。どのように考えればよいでしょうか。
A:原資料の著作権の保護期間が満了しており、当該データについてアーカイブ機関のみが権利を有する場合は、自らが利用条件を設定することができます。撮影者やデータ作成者の権利については、2次元の作品や資料を正面から撮影した場合などは、新たな創作的表現がないとして撮影者やデータ作成者の著作権が認められない場合が多いです。
Q:資料や作品の中にはプライバシーの問題など、公開に対して慎重にならざるを得ないものもあります。そうした資料や作品のデジタルアーカイブを構築していくにはどうしたらよいでしょうか。
A:資料や作品の公開は権利者からの許諾が必要となりますが、保存のためのデジタル化自体は著作権法上問題ありません。また、肖像権についてはデジタルアーカイブ学会作成の『肖像権ガイドライン』が参考になります。
Related to collaboration
Q:ジャパンサーチと連携するメリットは何でしょうか。
A:日本のデジタルアーカイブの分野横断プラットフォームであるジャパンサーチと連携することで、自館が所蔵するコンテンツの発見可能性が高まり、広く知られるようになります。また、横断検索により、異なる分野のコンテンツと関連性を見出すことができるため、新しい利用者層の開拓が期待できます。
さらに、連携機関は、コンテンツの活用をサポートする様々なジャパンサーチの機能を利用できます。エディタ機能を使ってギャラリー(電子展覧会)を作成し、ジャパンサーチ上で公開したり、共同でキュレーションができるワークスペースを使って、イベントや展示企画に活用したりすることができます。
Q:つなぎ役は、具体的にどのような役割を担うのでしょうか。
A:ジャパンサーチとの連携という面では、「ジャパンサーチに提供するメタデータの取りまとめ又はメタデータフォーマットの標準化」と「ジャパンサーチに提供されたデータの取扱いに関する文書取交しの窓口」の少なくとも2点を行うことでつなぎ役の役割を果たすことは可能です。一方、デジタルアーカイブ社会の実現のためには、これらメタデータの集約と連携以外にも、分野・地域コミュニティにおけるコンテンツのオープン化の推進、長期アクセス保証、人材育成など、様々な役割が期待されます。
Q:地域のつなぎ役として、行政がその役割を担う場合、メタデータの取りまとめも行う必要があるのでしょうか。
A:アーカイブ機関が実際のデータ作成を行っていることから、行政は文書取り交わしの窓口を担当し、データのとりまとめや登録作業をアーカイブ機関が担当するという方法もあります。
Q:地域・分野でつなぎ役は1機関と決まっているのでしょうか。
A:地域や分野を1つの機関で集約できないケースも考えられます。したがって、地域や分野の実情に応じて、複数のつなぎ役が役割を果たすこともあります。
Q:地域には、博物館、美術館、文書館などメタデータの項目が異なる様々な機関がある。地域のつなぎ役はメタデータの集約についてどのように考えればよいでしょうか。
A:メタデータ項目は分野ごとに異なるため、メタデータ項目の整理は、同じ分野のつなぎ役の役割と想定しています。一方で、地域のつなぎ役は、それぞれの分野の独自のメタデータ項目を維持しつつ、集約することが望ましいです。
Q:都道府県や市町がジャパンサーチと連携する場合、域内のデジタルコンテンツを統合したポータルサイトを構築しないといけないのでしょうか。
A:構築する必要はありません。個別のデータベースをそれぞれジャパンサーチと連携させることが可能です。ジャパンサーチとの連携することで、ジャパンサーチ上で地域のデジタルアーカイブを統合検索することができます。
Rerated to System of ”Digital Archive”
Q:デジタルアーカイブを運用するためのサーバ機器などを用意するコストが捻出できません。
A:データをインターネット上に載せるだけでも、意味は十分にあります。表形式のテキストデータでも、ウェブ上にデータがあれば、「つなぎ役」や「活用者」が検索できるようにしてくれる可能性があります。また、データの発見から共同事業化に発展すれば、サーバを運用している機関との連携も可能になるかもしれません。重要なことは、自分たちの機関がどのような形であれライセンスを明確にして、データをオープンにすることです。
Q:ウェブ上にある既存のサービスでデジタルアーカイブを運用するのは問題ですか。
A:既存のサービスを用いてデータをオープンにすることで、より多くの人々が閲覧できることは意味がありますので、十分に検討に値します。一方で、データの真正性の確保や持続的な提供という点では、サービス提供者に依存することになります。例えば、データの更新がある時期から有料となり、データの更新ができなくなる等が想定されます。このようなデメリットも踏まえ、デジタルアーカイブを持続的に提供できるよう、本ガイドラインでは、つなぎ役との連携も推奨していますので、ご検討ください。
Q:自機関でシステムを導入する際の注意点はありますか。
A:第三者が活用しやすい仕様として、データをどの程度までオープンにするか、その公開範囲を検討し、併せてダウンロードやAPIによる提供など相互運用性を確保した方法によるデータ提供も検討してください。また、データの登録や削除、統計処理等の管理が自分でできるシステムであること、ガイドラインにあるような「つなぎ役」との連携が可能な機能があることが望まれます。
さらに、特定の業者のシステムに依存する、「ベンダーロックイン」にならないよう留意する必要があります。業者を変更できずコストが上がり、業者がシステム提供を終えるとデジタルアーカイブを維持できなくなるなどの弊害があります。
