桑原羊次郎の欧米美術行脚~日英博覧会を中心に~
令和5年度島根大学附属図書館 デジタル展示サイト
島根県松江市出身の桑原羊次郎(1868-1955)は、明治後期から昭和前期にかけて刀装具や浮世絵の美術研究家、コレクターとして活躍した。桑原は日英博覧会の美術部門委員に任命されたことをきっかけに欧州に渡り、その後1910年から1913年まで展示会等の用務のかたわら欧米各地の美術館やコレクターなどを訪問したときの出来事を『欧米日誌』に記録し、約30年後に『欧米美術行脚』として清書している。ここでは本学所蔵の「桑原文庫」より、日英博覧会のパンフレットや、桑原が欧米滞在中に持ち帰った資料等を中心に紹介する。
Table of Contents
桑原羊次郎について
年表
主な著作
美術行脚のはじまり
1908年、40歳で鴻池銀行を退職した桑原は、上京して東京美術学校(現・東京藝術大学)校長の正木直彦と交流を深めた。1909年には正木が委員長を務める日英博覧会事務局の美術部門委員に任命され、古美術品の輸送等を担当することになった。
欧州各地へ
日英博覧会の閉会後、桑原はスウェーデンでロイヤル・アカデミー日本品展覧会委員、イタリアで建国50周年ローマ万国美術博覧会の日本館委員を務めたほか、フランス、ベルギーなど各地で自身の肉筆浮世絵コレクション展を開いた。
『欧米美術行脚』には、桑原の旅の行程が細かに記載されている。ここでは、『欧米美術行脚』に記載された土地を地図に示した。なお、1巻に複数の地域の記録がある時は、主たる地域に本をピン留めしている。
懐かしのアメリカ、そして帰国
桑原は学生時代をミシガン大学で過ごしている。卒業後、約20年ぶりのアメリカに渡ったのは1912年のことだった。ワシントンの新国立博物館、ニューヨークのアメリカン・アートギャラリーでも肉筆浮世絵コレクションの展示を行い、ニューヨークを拠点に個人のコレクション等を視察して1913年に帰国の途についた。
関連リンク
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貴重資料の閲覧・複製方法について
本デジタル展示は、国立国会図書館と島根大学附属図書館のデジタルアーカイブで公開されている桑原羊次郎関連資料を使用し、小山騰氏(元ケンブリッジ大学図書館)のご協力のもと、島根大学附属図書館が作成した。画像下等で特に所蔵元が示されていない資料は島根大学附属図書館が所蔵している。
作品解説の末尾に(小山騰)とあるものは小山騰氏に著作権がある。作品解説文末に(小山騰)と書かれていない解説文や年表は、参考文献や現物資料を元に島根大学附属図書館が作成した。
【参考文献】
桑原羊次郎・相見香雨研究会編2018『桑原羊次郎:郷土のエンサイクロペディア』(松江市ふるさと文庫21)
南明日香2020「パリ装飾芸術美術館における審美書院展と桑原羊次郎コレクション展(1911年)」『相模女子大学紀要』第84号
林みちこ2016「明治政府の対外美術戦略に関する研究 -1910年日英博覧会をめぐって」筑波大学平成28年度博士論文
村角紀子2018「桑原羊次郎とその美術工芸研究 -附『欧米美術行脚』目次翻刻-」『松江市研究』9号(松江市歴史叢書11)







