弄花抄
室町時代後期の連歌師*である牡丹花肖柏(ぼたんかしょうはく、1443~1527)の『源氏聞書』を基本資料として、公卿・歌人の三条西実隆(さんじょうにしさねたか、1455~1537)が編纂した源氏物語注釈書。「弄花」の名は、肖柏の号・弄花軒による。はじめに「作者」「作意」「時代」などの基本事項をまとめた料簡を置き、この形式は以後の源氏物語注釈書にも踏襲されていく。内容面でも三条西家源氏学の基礎となるもので、中世から江戸にかけての源氏物語研究を知る上で重要な一書である。
広島大学図書館蔵本(国文N2032)寛永・寛文頃に書写された7冊本で、書写者は不明。平瀬家旧蔵本。
なお、広島大学図書館には弄花抄がもう1点所蔵されている。
弄花抄(国文4497) https://doi.org/10.15027/da6508
*連歌師とは…連歌に巧みな人。連歌を職業とする人。連歌は、五・七・五の上句と七・七の下句を交互によんでゆく形の詩歌で、室町期に最盛期を迎えた。
【参考】
伊井春樹校『源氏物語弄花抄(平瀬家旧蔵・広島大学蔵)』「翻刻平安文学資料稿」第1巻第1~6分冊(1967~1971年、広島平安文学研究会)
伊井春樹編『源氏物語注釈書・享受史事典』(2001年、東京堂出版)
伊井春樹編『弄花抄 付源氏物語聞書』「源氏物語古注集成」第8巻(1983年、桜楓社)
廣木一人編『連歌辞典』(2010年、東京堂出版)












