Description
後小松天皇〈ごこまつてんのう・1377-1433〉の皇胤として生まれた一休〈いっきゅう・1394-1481〉は、諱を宗純(そうじゅん)、別に狂雲子とも号した。6歳のとき安国寺に入り、その後は諸所を転住。文明6年〈1474〉大徳寺住持の勅命があったが、入寺しなかった。禅僧として、名利を求めず、権力に媚びず、常に堂々と心境を披瀝し行動したため、一般からは奇行の人とみなされた。優れた詩才を示し、著作として『狂雲集』がある。飯尾宗祇〈いいおそうぎ・1421-1502〉や宗長〈そうちょう・1448-1532〉と交友を結んだことも知られる。一休の気風は自由奔放な書にも反映しており、眼も止まらぬ早書きとともに流麗な筆致ながら、極めて個性の強いものとなっている。これは、『源氏物語』(夕顔巻)の光源氏の歌を書したもの。下の句の「け(さ)のあさがほ」の「さ」を不用意に脱したため、小さく右に傍注している。2行目の1字目を1字分下げて書くのは、古歌を書写する故実。署名を記さないのも同様。歌意に添って、金泥で籬に咲く朝顔を下絵にあしらう装飾料紙を使用。一休宗純の短冊は類例きわめて稀有で、この一葉は、その中の貴重な遺墨である。
Data source
Keio Object Hub
Keio University has a diverse collection of cultural assets that have been assembled over its 160-year history. These collections are housed and used not only in libraries and research institutes, but...
Last updated
September 11, 2022