Description
文化元年(1804)から文政3年(1820)まで、妙法寺で行われた千部会(せんぶえ)への勧募者(寄付者)と、勧募の金額が記録されたものである(なお文化11年は千部会未開催のため脱)。千部会とは、祈願・追善のために千部の経を読誦する法会のことで、日蓮宗では法華経を読誦する「法華千部会」と称された。妙法寺では、毎年7月18日から30日までの間に行われ、寺を代表する行事として近隣に知られていた。 勧募者には、在地名が記されていることから、妙法寺への信仰を寄せた人々とその広がりを知ることが出来る。勧募者の在所名をみると、大名家では、麹町にある岸和田藩主岡部屋敷の人々や、本所の川越藩屋敷の人々がみえる。講中としては、下総国市川の題目講中と武蔵国川越講中、同国戸塚講中が毎年のように勧募を寄せている。地域別では、最北として上野国桐生がみえ、最遠である。武蔵国では、川越の各村が毎年のように勧募を寄せ、ほかに越ヶ谷・杉戸宿、鴻巣宿、岩槻領鹿室村などがみえている。武蔵国には、あまり大きな日蓮宗寺院は無いから、これら地域との繋がり(特に川越)は興味深い。下総国では、市川、中山下宿、松戸、流山などがみえる。下総国は、中山法華経寺(千葉県市川市)や本土寺(千葉県松戸市)など、日蓮宗の有力な寺院が多く存在しているから、相模国では小田原のみが確認出来る。杉並区域内をみると、田端、成宗、荻窪、高井戸の人がみえ、近辺では関村(練馬区)、烏山村(世田谷区)、牟礼村(三鷹市)、吉祥寺村(武蔵野市)の人々がみえている。 なお本資料の扉には、妙法寺十九世・日永による題目・花押がある。 また勧募者の居住地として「杉並」(田端村)の名が見えることから、「杉並」地名の由来を考えるうえでも貴重な資料である。
Data source
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Last updated
July 20, 2026
