博物館・書籍館誕生ばなし
明治5(1872)年に博物館・書籍館(しょじゃくかん、しょせきかん)が誕生して、今年で150年になります。本展示では、現在の博物館・図書館の源流について、その誕生前後をご紹介します。
Ⅰ.博物館・書籍館誕生前史
博物館・書籍館誕生の背景には、江戸時代からの博物学の発達と幕末維新期における海外での見聞の影響があるといわれています。
(1)博物学の発達
博物館の誕生以前の江戸時代、本草学者間での物産会が日本各地で行われていました。いわゆる品評会で、博物館の収集・整理・研究・公開の機能を持っていましたが、一定の施設はありませんでした。物産会には多くの品が公開され、これが博物学に発展していくとともに、博覧会の前駆としても注目されています。
物産会の展示品
尾張医学館の薬品会
第五回東都薬品会図録
(2)海外での見聞~幕末・明治の遣外使節より~
幕末から明治初期にかけて、海外へ派遣された人々は多くの施設を見学しました。博物館・書籍館の建物や蔵書・美術品等を見て驚き、感嘆した様子を記録しています。
日付をクリックすると、遣外使節の日記の文章が表示されます。
当初博物館に至リ其掛リ官吏ニ面会諸物一見ス
ほかにも福沢諭吉の『西洋事情』などで海外の博物館が紹介されました。
Ⅱ.博物館・書籍館構想と誕生
明治政府は近代国家樹立のために、殖産興業・文明開化政策を行いました。その一つとして、文部省は学校教育以外の知識開明を目的として、明治5(1872)年、旧湯島聖堂を会場に博覧会を開催します。博覧会終了後、展示物を保管し、定期的に公開する博物館へと移行しました。また総合博物館の一環として、大成殿に書籍館が開館しました。
構想に関わった人々
博覧会の様子
Ⅲ.誕生、そして帝国図書館へ
湯島に誕生した書籍館は、明治6(1873)年には博覧会事務局の所管となります。その後は変遷図が示すように、多くの所管替えを経て、明治30(1897)年に帝国図書館となりました。帝国図書館の蔵書は、明治8年に書籍館が文部省の所管に戻った折に交付された書籍を基礎としています。また、購入や寄贈によって蔵書が充実していきました。



