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2025 Special Exhibition, Omiya Library, Ryukoku University ❝The Beauty and Performing Arts of Japan❞

龍谷大学図書館2025年度特別展観

Foreword

Takafumi Maekawa, Dean of Ryukoku University Library

 

Ryukoku University Omiya Library is pleased to present the 2025 Special Exhibition The Beauty and Performing Arts of Japan.

In recent years, the global spread of social media and the rise in inbound tourism have drawn growing international attention to Japan’s traditional culture. There has also been a renewed movement within Japan to rediscover and revalue its own cultural heritage. In this exhibition, we showcase a selection of rare and valuable materials related to the performing and fine arts from our library’s collection, exploring the diverse expressions of beauty that have shaped Japanese culture.

A distinctive feature of Japanese art and performance lies in the way beauty is embodied in human movement and gesture. In kadō (flower arrangement), kōdō (incense appreciation), and sadō (tea ceremony), the graceful actions of arranging flowers, sensing fragrance, and preparing tea express a harmony between body and spirit. In the performing arts—such as noh, kyōgen, and kabuki—the actor’s posture, steps, and voice generate the power of performance and captivate the audience. Even in calligraphy and painting, the rhythm of breathing and the movement of the brush are directly reflected in the finished form. In this sense, the essence of Japanese beauty resides not only in technique or form but also in the very process of expression through the body.

The exhibition is organised into four chapters:

Chapter 1: Kadō (華道), Kōdō (香道), and Sadō (茶道)

Chapter 2: E (画)

Chapter 3: Sho (書)

Chapter 4: Noh (能), Kyōgen (狂言), and Kabuki (歌舞伎)

 

Approximately fifty selected works will be on display. We hope visitors will experience the subtle beauty that lives within movement and gesture and gain a deeper appreciation of the unique sensibility nurtured by Japanese culture.

Finally, we would like to take this opportunity to express our heartfelt gratitude to all those who have supported and contributed to the realization of this exhibition.

 


Chapter 1: Kadō (華道), Kōdō (香道), and Sadō (茶道)

Ikebana (the art of arranging flowers and plants in vessels for aesthetic appreciation), kōdō (the practice of burning incense woods to savour their fragrance) and sadō or chadō (the Way of Tea, which centres on a single bowl of tea while integrating and harmonizing various traditional arts) all have deep roots in Buddhist culture and are closely connected with one another. This chapter introduces materials related to these three traditions, often referred to collectively as the ‘Three Ways’ of Japanese culture.

第 1 章 展示資料一覧

りっかしょうどうしゅう                                                                                                                                                                               2冊 尋旧子(じんきゅうし)著 天和4年(1684)梅村弥右衛門等刊                                                                                                           縦26.6×横19.3cm 請求記号[793-5-W-2]                                                                                                                                       本書は、池坊門弟の尋旧子が著した華道書である。立華(立花)とは、室町時代に成立し、2代池坊専好(いけのぼうせんこう)(1575?~1658)によって完成され、多種多様な草木により大自然の風景を表現する様式のことである。序文には、尋旧子が、故実の格式を具(そな)えた立華の姿を真・草・行の三体に分けて図示した書物である由を記す。

いけのぼうけしょ                               1冊 [江戸時代中期写]                                                                                                                                                                     縦27.2×横18.2㎝ 請求記号[793-21-W-1] 写字台文庫                                                                                                                       本書は、その奥書によって、池坊の門弟が成立に関与し、元禄13年(1700)に成立したものであることが知られる。立華・生花の図のみならず、いわゆる「座敷飾り」、茶道具、香炉灰の押し方などについてもかなり丁寧に図示されており、華道が茶の湯と香に密接に関わるものであることがよくわかる資料である。                                                   

(せんけしんりゅう)そうかちょくしほう                                  (又名「生花百競(いけばなももくらべ)」)4巻4冊 入江惟忠(いりえこれただ)(玉蟾(ぎょくせん))著                                                                                                                               明和6年(1769)須原屋茂兵衛等刊                                                                                                                      縦22.3×横16.0㎝ 請求記号[793-9-W-4] 写字台文庫                                                                                                          本書は、生花の千家新流の祖である入江惟忠(生卒年未詳)が、一門の弟子の生花で最も優れたものを絵図にして保管し、およそ100品をまとめたものである。山林や沢池、村里など様々な場所に生える花々を材とする生花を冊子にすることで、野外の風物の趣をまとめて見えるようにし、なおかつ華道の初心者にも役立つようにしている。

こうようせいかひゃくへいず                                                 3巻3冊 是心軒一露(ぜしんけんいちろ)著 安永3年(1774)序 是心軒蔵板                                                                                                                                                                               縦27.0×横17.1㎝ 請求記号[793-10-W-3] 写字台文庫                                                                                                                         本書の著者である是心軒一露(1734~1780)は、江戸時代中期に活躍した華道家である。京都で、松月堂叡尊(しょうげつどうえいそん)の流れをくむ中流軒宣柳(ちゅうりゅうけんせんりゅう)に学び、江戸に戻って松月堂古流を創始した。本書は、一露が門弟に各々秀逸とする生花を写させて集め、そこから100の生花を選んで刊行したものである。

こうどうそでのたちばな                                                                                   2巻2冊 上野宗吟(うえのそうぎん)著 安永3年(1774)植村藤三郎等刊                                                                                                                                                                      縦22.6×横16.2㎝ 請求記号[792-6-W-2] 写字台文庫                                                                                                                                            本書の著者である上野宗吟(生卒年未詳)は、室町中期の香道家志野宗信(しのそうしん)を祖とする志野流の流れを汲み、茶道は表千家6代の原叟宗佐(げんそうそうさ)の門人とされている。本書の凡例には、本書が『香道秘伝書』に記すところを基本としながらも、初心者にも役立つようにした書であることが記されている。

こうどうたきのいと                                                                                                 2巻2冊 大枝流芳(おおえだりゅうほう)著 享保19年(1734)植村藤右衛門等刊                                                                                                                                            縦22.8×横15.8㎝ 請求記号[792-5-W-2] 写字台文庫                                                                                                                                                            本書は、香道の諸道具、香包(こうつつみ)、盤立物(ばんたてもの)や組香(くみこう)などについて説明した書である。著者の大枝流芳(生卒年未詳)は、江戸中期の煎茶家であり、香道家であった人物である。香道は、御家流(おいえりゅう)の大口保高(おおぐちやすたか)に師事し、米川流(よねかわりゅう)・志野流(しのりゅう)も学んで大枝流(岩田流)を創始した。本書にも、米川流の諸道具や香包の折り方などが書かれており、影響を受けたことがわかる。

こうどうちよのあき                                                                                            3巻4冊 大枝流芳(おおえだりゅうほう)撰 元文元年(1736)植村藤右衛門等刊                                                                                                                                                           縦18.0×横13.0㎝ 請求記号[792-30-W-4] 写字台文庫                                                                                                                                                                 本書は、香道大枝流の祖である大枝流芳(生卒年未詳)が、『香道滝之糸』などより後に著した香道の書である。組香(くみこう)の目録に始まり、香棚(こうだな)かざりの図、香元(こうもと)かざりの図、香道具などを解説する他、30に及ぶ新組香を解説する。跋文(ばつぶん)には、香道には秘伝が多いけれども、奥義を学ぼうとする入門者のために、この書ではじめのあらましを取り上げたとある。

こうどうしんでん                                                                                        2巻2冊 関親卿(せきちかさと)著 安永5年(1776)跋 北村四良兵衛等刊                                                                                                                                                  縦22.8×横16.2㎝ 請求記号[792-40-W-2]                                                                                                                                                                                                     本書の著者である関親卿(生卒年未詳)は、江戸時代中期に活躍した志野流(しのりゅう)の香道家である。本書は、親卿が志野流の香道を初学者に伝えることを目的に著した書物で、志野流の歴史、組香(くみこう)、茶と香との関係などが記されている。また、内容によっては、志野流の流れを汲む大枝流芳(おおえだりゅうほう)の著書から引用した箇所もある。

ちゃどうちょうもんしょくとうしょう                                                                                                            1冊 [江戸時代前期写]                                                                                                                                                                                                縦27.0×横20.1㎝ 請求記号[791-90-W-1] 写字台文庫                                                                                                                                                                                      本書は、長い間、小堀遠州(こぼりえんしゅう)(1579~1647)が、浅野幸長(あさのよしなが)(1576~1613)の家老であった上田宗箇(うえだそうこ)(1563~1650)とともに、茶の湯について師匠の古田織部(ふるたおりべ)に尋ねた聞き書きであるとされてきた。しかし、本資料(龍大本)により、尋ね主は浅野幸長であり、上田宗箇をもって尋ね、小堀遠州はその写本の作成者であったことが判明した。内容の大半は手前や道具の扱いなどであるが、織部の茶会記にあたる記述も含まれている。

ふしんあんえず                                                                                                                             1冊 [江戸時代中期写]                                                                                                                                                                                       縦32.7×横23.9㎝ 請求記号[791-16-W-1] 写字台文庫                                                                                                                                                                             不審庵は、表千家の宗家が代々継承してきた茶室で、千利休(せんのりきゅう)(1522~1591)の死後、2代目少庵(しょうあん)(1546~1614)が利休の三畳台目(さんじょうだいめ)(丸畳(まるだたみ)三畳の客座と台目畳(だいめだたみ)一畳の点前座(てまえざ)で構成された茶席)を復興したことに始まる。現在の不審庵は、大正2年(1913)に再建されたものである。本資料は、茶室の外観や間取りなど、創建当初に近い不審庵の様子を伝える。

ちゃどうあけむらさき                                                                                                                                              3巻3冊 [藪内竹心(やぶのうちちくしん)著] 刊                                                                                                                                                            縦23.2×横16.6㎝ 請求記号[021-373-3] 写字台文庫                                                                                                                                                          本書は、藪内竹心(1678~1745)と門弟との問答形式をとり、竹心の茶の湯についての主張を述べたものである。主張の主眼は、茶の湯を千利休の古風に戻すことにあったとされる。竹心は、薮内流第5代紹智(じょうち)であり、利休への回帰を説き、風流の確立に尽力したことにより、中興の祖とも言われている。

ここんめいぶつるいじゅう                                                                                                                                              13冊  陶斎尚古老人(とうさいしょうころうじん)(松平不昧(まつだいらふまい))著 寛政元年至3年(1789~1791)須原屋市兵衛刊                                                                                                                                                      縦22.6×横16.0㎝ 請求記号[791-97-W-13] 写字台文庫                                                                                                                                                                        本書は、茶道具の中でも「名物」と呼ばれる名品の図説で、寛政元年から寛政9年(1789~1797)にかけて江戸の須原屋市兵衛(すはらやいちべえ)から4回に分けて全18冊が刊行された。本資料(龍谷本)は、寛政3年までに刊行された13冊分である。内容は、中興茶入之部など8部から成り、茶道具を解説しているが、唐物と和物に分けられる茶道具の内、掛物を除いて和物の収録比率が高く、和物茶器の整理と価値体系の再編を目的の一つにしていたとされている。

Chapter 2: E (画)

Japanese painting has developed its own unique style since ancient times under the influence of Chinese and Korean culture, employing mainly mineral pigments and brushwork. From the Meiji period onward, it came to be known as nihonga (Japanese painting) in contrast to Western-style painting. This chapter presents landscapes, ukiyo-e prints, and instructional painting guides.

第 2 章 展示資料一覧

うきよえにじゅうしこう(ゆきんろう)                                                                                            1紙 柳斎重春(りゅうさいしげはる)画 木版色摺 [江戸時代後期刊]                                                                                                                                                縦25.0㎝×横37.0㎝ 請求記号[024.301-44-5/5]                                                                                                                                                               二十四孝は、中国で古来有名な孝子(こうし)24人の総称である。二十四孝は日本にも伝わり、御伽草子(おとぎぞうし)や仮名草子、浄瑠璃、井原西鶴(いはらさいかく)の『本朝二十不孝(ほんちょうにじゅうふこう)』などが誕生した。本作品は、二十四孝の事跡を浮世絵にしたものである。柳斎重春(1802~1852)は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師で、滝川国広(たきかわくにひろ)、柳川重信(やながわしげのぶ)(初代)に師事し、役者絵の他、読本(よみほん)『忠孝二見浦(ちゅうこうふたみのうら)』などの挿絵を描いたことで知られる。

にじゅうしこうみたてえあわせ(おうしょう)                                                                                           1紙 楊洲(ようしゅう)(橋本)周延(ちかのぶ)画  木版色摺 明治23年(1890)長谷川常治郎刊                                                                                                                                                     縦36.5×横24.0㎝ 請求記号[024.301-45-7/9]                                                                                                                                                                                                            見立絵(みたてえ)とは、物語や故事、説話などを取材しながら、人物や風俗、場面設定などを当世風にして描いた浮世絵のことで、当世風に描かれた人物などの変貌ぶりを楽しむものである。橋本周延(1838~1912)は、3代目歌川豊国(うたがわとよくに)などに師事し、美人画で知られる浮世絵師である。中国六朝(りくちょう)の人・王祥が寒中に鯉をとって継母に奉仕したことを題材に、上部にその様を描き、下部には当世の美人が鯉をとる様を眺める姿を描いている。

ていとにしやまがけいえず                                                                                                           1巻(25図) 河村文鳳(かわむらぶんぽう)筆 頼山陽(らいさんよう)自筆序文 絹本着彩 [江戸時代後期]                                                                                                                                                                                              縦31.0×横1050.0cm 請求記号[022.1-200-1]                                                                                                                                                                                                                  本書は、版本『帝都雅景一覧(ていとがけいいちらん)』の原本である。『帝都雅景一覧』は、京都の名所雅景を彩図した版本で、文化6~13年(1809~1816)に刊行された。河村文鳳(1779~1821)は、山水・人物・花鳥・獣画などに優れた画家として知られた人物である。本資料の巻首には、古書画を愛した漢学者の頼山陽の自筆序文31行がある。

かのうはしゅうがかん                                                                                  (又名「永納筆古画□(えいのうひつこが)」)1巻 狩野永納(かのうえいのう)・永敬(えいけい)・永伯(えいはく)筆 [江戸時代前期至中期頃]                                                                                                                       縦27.5×横913.7㎝ 請求記号[022.1-213-1]                                                                                                                                                                本書は、人物・動物など29図を収めた巻子本である。画は、墨画もしくは淡彩で、絵に付された「永納」・「永敬」・「永伯」の印から、京狩野の狩野永納(1631~1697)、永敬(1662~1702)、永伯(1687~1764)の筆によるものと考えられる。画は、「人丸」・「釈迦」などの題が付されたものがほとんどで、題とともに「狩野元信(かのうもとのぶ)」・「雪舟(せっしゅう)」・「長谷川等伯(はせがわとうはく)」など前代の画家の名が記されたものが多い。本資料は永納らが、先人の作品を研究するために写したものと考えられる。

ひゃくかちょうず                                                                                                                                                                                                                                                                      (又名「画図百花鳥(がずひゃくかちょう)」)5巻5冊  [狩野探幽(かのうたんゆう)原画] 石仲子(せきちゅうし)(山下守範(やましたしゅはん))模写 享保14年(1729)西村源六等刊                                                                                                                                                                    縦27.2×横18.2㎝ 請求記号[720.9-40-W-5] 写字台文庫                                                                                                                                                                  本書は、絵師・石仲子が、狩野探幽(1602~1674)に学んだ弟子が残した画帖が失われることを惜しみ、縮写・摸刻し、発句・和歌・漢詩を募り刊行したものである。100種類の組み合わせの花鳥図を掲載し、彩色方法などが記されている。本書の編者・石仲子は、探幽の次男探(たん)雪(せつ)(1655~1714)の門人であったとされる。

いろのちくさ                                                                                                                                                                                                           (又名「色のちくさ」)1冊 田中訥言(たなかとつげん)著 文政元年(1818)自跋 銭屋惣四郎刊                                                                                                                                                                                      縦30.0×横21.1㎝ 請求記号[720.9-54-W-1] 写字台文庫                                                                                                                                                                                 本書の著者である田中訥言(1767~1823)は、江戸時代後期の画家であり、復古大和絵派の祖とされる。石田幽汀(いしだゆうてい)(1721~1786)、土佐光貞(とさみつさだ)(1738~1806)に師事し、平安・鎌倉時代の古絵巻を精力的に模写・研究して、形式化しつつあった大和絵の復興に努めた。本書は、古典研究の成果の一つというべきものであり、色彩に関して、色の名称とその色について示したものである。

たんかくずふ                                                                                                                                                                                                                                              紋部1巻・調度部2巻 水野忠央(みずのただなか)編 [江戸時代後期]中屋徳兵衛等刊                                                                                                                                                                                                                                                                      縦32.3×横22.6㎝ 請求記号[021-423-3] 写字台文庫                                                                                                                                                                                                                                  本書の編者・水野忠央(1814~1865)は、紀州(和歌山)藩の付家老であり、文化人として優れ、稀覯書(きこうしょ)を収集・翻刻し、『丹鶴叢書(たんかくそうしょ)』を刊行した。『丹鶴叢書』は校訂の厳密さと造本の美しさにより当時から珍重された。  『丹鶴図譜』は、『丹鶴叢書』の編外として刊行された書物である。紋部には装束や絵巻、器物から採録した古代の紋章を掲載し、調度部には、平安時代末期に成立した『類聚雑要抄(るいじゅざつようしょう)』所収の各種調度の図を載せ、それぞれ美しい多色刷りが施されており、絵としても味わうことができる。

せきえんがふ                                                                                                                                                                                                                         2巻2冊 鳥山石燕(とりやませきえん)画 安永3年(1774)遠州屋弥七刊                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               縦30.8×横22.2㎝ 請求記号[022-538-2]                                                                                                                                                                                                                     鳥山石燕(1712~1788)は、江戸時代中期の狩野派の町絵師である。狩野玉燕(かのうぎょくえん)(1683~1743)に師事し、人物画や妖怪の絵を得意とした。浮世絵師・喜多川歌麿(きたがわうたまろ)(1753~1806)の師としても知られている。本書は、自身が描いた人物画や花鳥画を編集して、同好の人たちに伝えることを目的に作成された石燕の絵本である。木版ぼかし技法を用いた最初の例とされている。

ほくさいまんが                                                                                                                                                                                                      4冊 葛飾戴斗(かつしかたいと)(北斎(ほくさい))画 魚屋北溪(ととやほっけい)・東南西北雲(とうなんせいほくうん)等校合 文化12年(1815)永楽屋東四郎等刊                                                                                                                                                                                                                    縦25.0×横20.4㎝ 請求記号[720.9-68-W-4] 写字台文庫                                                                                                                                                                                                                   葛飾北斎(1760~1849)は、自ら「画狂人」と称するほど終生描くことに情熱を燃やした人物である。本書は、門弟ばかりでなく、一般庶民が画技を習得するために編んだ絵手本。画は庶民の信仰に関わるものから、日常生活具、動物、植物など多岐にわたっている。特に人の姿を描いた画は、手足の筋肉の動きなど実に躍動感がある。

がせん                                                                                                                                                                                                               1冊 林守篤(はやしもりあつ)編 享保6年(1721)伊丹屋新兵衛等刊                                                                                                                                                                                                                                                          縦25.8×横18.0㎝ 請求記号[721-9-W-7] 写字台文庫                                                                                                                                                                                                 本書は画論書である。内容は、編者の林守篤(生卒年未詳)の師である狩野派尾形幽元(おがたゆうげん)(1643~1682)の口伝による技法、絵具の製法、山水草木・鳥獣・中国人物・和人物などの絵手本、作画・表装・鑑賞などにおける注意事項について記されている。当時の狩野派の教育方法をうかがい知ることができる資料である。

えほんつうほうし 9巻10冊 橘守国(たちばなもりくに)(有税(ゆうぜい))画 享保5年(1720)渋川清右衛門刊                                                                                                                                                                                                                           縦22.7×横16.1㎝ 請求記号[720.9-69-W-10] 写字台文庫                                                                                                                                                                                             本書は、絵師・橘守国(1679~1748)の絵手本である。守国は、狩野探幽(かのうたんゆう)の門人である鶴沢探山(つるさわたんざん)(1655~1729)に師事し、その精密な画風は、上方の浮世絵に影響を与えたとされる。内容は、作画の際に先例となる図様を手本とするべきという守国の考えにより、農耕図、漁図、風景、人物、故事、動植物図など様々な画図が収録されており、特に人物や故事について、解説が付されているものもある。

がえい                                                                                                                                                                                       6巻6冊 周山(しゅうざん)(吉村周山(よしむらしゅうざん))編 寛延3年(1750)渋川清右衛門等刊                                                                                                                                                                                                                                       縦26.3×横18.6㎝ 請求記号[720.9-39-W-6] 写字台文庫                                                                                                                                                                                                                                              本書は、吉村周山(?~1776)が編集した名画の絵手本である。周山自身は、根付(ねつけ)(印籠(いんろう)や煙草(たばこ)入れを帯に提げる留め具)の彫刻で知られる人物であるが、絵を狩野派の牲川充信(にえかわみつのぶ)(生卒年未詳)に師事している。周山が選んだ画は、風景、人物、植物、動物などの題材から、日本では狩野元信(かのうもとのぶ)や探幽(たんゆう)をはじめ、雪舟(せっしゅう)、海北友松(かいほうゆうしょう)、中国では呉道玄(ごどうげん)、趙孟頫(ちょうもうふ)、牧谿(もっけい)の作品などである。

がりんりょうざい                                                                                                                                                                                               10巻10冊 馬場信意(ばばのぶのり)著 淡水居士(たんすいこじ)画 正徳5年(1715) 須原屋茂兵衛刊                                                                                                                                                                                                              縦22.9×横16.0㎝ 請求記号[721-14-W-10] 写字台文庫                                                                                                                                                                                                                    本書の著者・馬場信意(1669~1728)は、江戸時代前期から中期に活躍した軍記作者で、『義経勲功記(よしつねくんこうき)』などの通俗軍書を多数編集した。『画林良材』は、信意の自序によれば、西山の淡水居士(生卒年未詳)の求めにより、淡水の画に信意の略註を付して一般人向けに刊行したものであるという。内容は、中国の人物とその故事を「明君之部」など10部に構成して、分かり易く紹介している。

かんがしなんにへん                                                                                                                                                                                                                                        3巻3冊 文鳳(ぶんぽう)(河村文鳳(かわむらぶんぽう))画 文化10年(1813)大和屋勘兵衛等刊                                                                                                                                                                                                                                   縦26.1×横17.1㎝ 請求記号[720.9-33-W-3]                                                                                                                                                                                                            本書は、建部綾足(たけべあやたり)(1719~1774)の遺稿を養子の建視思明(けんししめい)(生卒年未詳)が補訂して刊行した画の教則本である。建部綾足は、江戸時代中期に活躍した読本(よみほん)作者で絵師。本書はその第二編にあたり、江戸時代後期の画家・河村文鳳(1779~1821)が、先の諸図の欠漏を補うことを目的に刊行したものである。初編とは異なり、詳しい解説は記されていない。

Chapter 3: Sho (書)

Calligraphy is a form of visual art which employs written characters, having flourished within the Chinese-character cultural sphere including China, Korea and Japan. In Japan, calligraphy not only incorporated Chinese characters but also developed uniquely with the creation of kana syllabaries. This chapter features calligraphy by Zen priests and related items, such as treatises on the art of calligraphy and seals.

第 3 章 展示資料一覧

しょだん                                                                                                                                             3巻3冊 [増山]雪斎([ましやま]せっさい)著 寛政5年(1793)永楽屋東四郎等刊                                                                                                                                                                                                               縦25.9×横17.6㎝ 請求記号[728-57-W-3] 写字台文庫                                                                                                                                        本書は、伊勢長島藩藩主であり、画家としても知られる増山雪斎(1754~1819)が著した書法に関する書物である。本書の後序(こうじょ)には、雪斎が江戸時代中期の書家・趙陶斎(ちょうとうさい)(1713~1786)の門下であった由を記す。本書には中国と日本の書法の変遷について詳しく記されており、初学の人に役立つというだけでなく、書法の研究書としても評価された。

かんがひゃくたん                                                                                                                                                            5巻5冊 [細井]広沢([ほそい]こうたく)著 享保20年(1735)川村源左衛門刊                                                                                                                                                                   縦27.0×横18.6㎝ 請求記号[728-45-W-1]                                                                                                                                                                                                      本書は、和漢の書に関する故事・逸聞など100条を収録し、細井広沢(1658~1736)の見解を付したものである。広沢は江戸時代中期の儒学者・書家で、唐様の書法が王羲之(おうぎし)以来の正統的な筆法であることを提唱したことで知られる。本書にも、王義之の故事・逸聞が数多く記され、王羲之を尊崇する広沢の姿勢が見える。

ないかくひでんじふじゅんすいしょう                                                                                                                                                                                                     7巻5冊 亮正(りょうせい)著 延宝7年(1679)小篠伝兵衛刊                                                                                                                                                                                                 縦26.8×横19.3㎝ 請求記号[728-109-W-5]                                                                                                                                                                                                                 本書は、書の典籍に精通する僧侶の亮正(生卒年未詳)が、書法七十二法の概要について述べたものである。内容は、漢字の成立と用法に関する分類である六書にはじまり、欧陽詢(おうようじゅん)などの著名な書家の論を記す他、書法七十二法について解説している。

ごしきてかがみ                                                                                                                                                                                                                                               1帖 狩野教信(かのうきょうしん)画 [江戸期筆]                                                                                                                                                                                                                   縦25.0×横21.0㎝ 請求番号[021-586-1]                                                                                                                                                                                                                     本書は、『五色和歌(ごしきわか)』を書写した書画の手鑑(てかがみ)である。『五色和歌』は江戸時代の類題集で、編者は未詳。元禄3年(1690)頃の成立と考えられ、『片玉集(へんぎょくしゅう)』に収められている。陰陽五行説に基づき、青・黄・赤・白・黒の五色を題にして、5人の詠者が一題一首を詠じたものである。本学所蔵の『五色手鏡』は、『五色和歌』を5人の公家たちに書写させ、手鑑としたものであり、画には狩野教信の銘がある。

もんにょしょうにんおんひつごぎょうしょ                                                                                                                                                                         1幅 文如(もんにょ)自筆                                                                                                                                                                                          縦205.3×77.2㎝ 請求番号[021.1-153-1]                                                                                                                                                                                                                                                                        西本願寺第18代文如宗主(1744~1799)は、宗派の教義を揺るがす「三業惑乱(さんごうわくらん)」の処理に尽力したことで知られているが、教養の面では藪内(やぶのうち)流の茶人としても知られている。本資料は、文如宗主自筆の五行書で、箱書には、「錦花法儲君御詩 御染翰 一軸」とある。宗主継職以前に、家臣の下間仲矩(しもつまなかのり)(1712~1780)に与えたものかと考えられる。

おおたにこうずいしぼくせき 1幅 大谷光瑞自筆 明治18年(1885)筆                                                                                                                                                                                                   縦181.5×横49.3㎝ 請求記号[021.1-190-1]                                                                                                                                                                                                                                             西本願寺第22代鏡如(きょうにょ)宗主(大谷光瑞、1876~1948)が、10歳頃に『説苑(ぜいえん)』第16巻の一節を墨書したものである。『説苑』は、前漢の学者・劉向(りゅうきょう)が編纂した前賢先哲の故事説話集。幼少期の光瑞は、『孝経(こうきょう)』などの素読や、本願寺の要職を歴任した水原慈音(みずもとじおん)による草書の手本を以て書法を学んだとされている。

ほんちょうじふひでんしょう 5巻(欠第3巻)附1巻 前田図南(まえだとなん)著 宝永6年(1709)出雲寺和泉掾刊                                                                                                                                                                                                             縦27.3×縦19.1cm 請求記号[728-90-W-5] 写字台文庫                                                                                                                                                                      本書は、書家・前田図南(生卒年未詳)が著した書法や古今の著名な書家の作例についての解説書である。書に関連する神代・歴代天皇の列挙に始まり、聖武天皇(しょうむてんのう)、嵯峨天皇(さがてんのう)、吉備真備(きびのまきび)、空海(くうかい)、小野道風(おののみちかぜ)などの書の解説、書法の図説などが記されている。その他、灯籠や扁額(へんがく)、和歌の散らし書きなどについても記しており、実用的な面にも配慮がなされている。

とうこうせんせいしょとうしせん                                                                                                                                                                      7巻3冊 [沢田(さわだ)]東江(とうこう)書 天明4年(1784)小林新兵衛刊                                                                                                                                                                                               縦27.9×18.0cm 請求記号[728-97-W-3] 写字台文庫                                                                                                                                                  本書は、沢田東江(1732~1796)が書写した『唐詩選』を刊行した版本である。東江は、江戸時代中期に活躍した儒学者・書家で、当初は明の文徴明(ぶんちょうめい)の書を規範とした北島雪山(きたじませつざん)らの書風に従っていたが、中年以降は文徴明を遡って魏晋の書法を学ぶことを唱導し、特に王羲之(おうぎし)の書法に基づいた。この書もその作例の一つである。

てんしょせんじもん                                                                                                                                                                          1巻1冊 (梁)周興嗣(しゅうこうし)次韻 湖南辰明(こなんしんめい)書 [安永6年(1777)刊]                                                                                                                                                                                         縦26.1×横18.4cm 請求記号[728-99-W-1] 写字台文庫                                                                                                                                                                                  『千字文(せんじもん)』は中国の字書で、南朝梁(りょう)の武帝(ぶてい)が周興嗣(?~520)に命じて、王羲之(おうぎし)の書から1000字を選び、4字1句の重複の無い押韻対偶の文に仕立てさせたものとされている。本資料は、湖南辰明(生卒年未詳)が漢字の書体の一つである篆書で千字文を書き、刊行したものであるが、篆書の鑑賞や、書道の手本として用いられたものかと思われる。

しんぺんこおうふ                                                                                                                           6巻7冊 松崎祐之(まつざきすけゆき)編 正徳6年(1716)茨城多左衛門刊                                                                                                                                                                    縦26.0×横18.1cm 請求記号[730.8-43-W-7] 写字台文庫                                                                                                                                                                         本書は、丹波篠山藩の儒学者であった松崎祐之(蘭谷(らんこく)、1674~1735)が編集した花押図鑑である。花押は文書の末尾などに書く署名の一種であり、書道の草書体を図案化した形態や偏や旁(つくり)を組み合わせた形態のものなどがある。篇目は、天子・親王・源氏・平氏・藤原氏などに分けられており、620名の花押を収録している。

くんだいかんいん (又名「君台観左右帳記(くんだいかんそうちょうき)」)1冊 承応元年(1652)吉野屋権兵衛刊                                                                                                                                   縦25.5×横18.4㎝ 請求記号[730.8-13-W-1] 写字台文庫                                                                                                                                              本書は、書画に押印された印章を集めたものである。表紙には手書きで『君台観左右帳記』と記されている。収録された印章は、三国時代の呉の曹不興(そうふこう)をはじめ、玄宗(げんそう)、蘇軾(そしょく)、米芾(べいふつ)、顕宗(けんそう)、趙孟頫(ちょうもうふ)など中国や朝鮮の書家・画家およそ120名に及ぶ。本書は、書画の真贋を鑑定する際の手がかり、あるいは読者が自らの印章を考案する際にも利用されたかもしれない。

わかんいんづくし 3巻3冊 万治2年(1659)序 浅野(藤屋)弥兵衛刊                                                                                                                                                     縦18.8×横13.2cm 請求記号[730.8-23-W-3] 写字台文庫                                                                                                                                                                 本書は、中国及び日本の画家・書家の印章を集めた書物である。上・中巻は三国時代の呉の曹不興(そうふこう)から明代の董其昌(とうきしょう)などに至る中国の画家の印章を収録し、下巻は雪舟や木庵性瑫(もくあんしょうとう)などの画家・書家の印章を収録する。序文には、およそ400名の印章を、書画の真贋を鑑定するための資料とすべく編集したものであるとする。

Chapter 4: Noh (能), Kyōgen (狂言), and Kabuki (歌舞伎)

Noh, kyogen, and kabuki are among Japan’s most representative forms of classical theatre. Noh conveys emotion through restrained and highly stylized movement. Kyōgen, often performed on the same stage between Noh plays, portrays human folly with exaggerated gestures and humorous dialogue. Kabuki, having originated in the early Edo period as popular entertainment for the common people, has developed through the incorporation of dance and other elements and continues to flourish into the present day. This chapter introduces materials related to noh, kyogen, and kabuki.

第 4 章 展示資料一覧

ぞくきょうげんき                                                                                                                                                                                                    5巻(存第1巻第5巻)2冊 元禄13年(1700)八尾平兵衛等刊                                                                                                                                                                           縦27.5×横19.1cm 請求記号[773-37-W-2]                                                                                                                                                                  本書は、『狂言記』の後に刊行された書物であるが、初版が元禄13年であり、『狂言記』(初版は万治3年〈1660〉刊)より40年の間がある。形体は横本となっているが、同じく5巻から成り、各巻に10番、都合50番を収録している。挿絵については、およそ半分の曲にしか入っていない。

きょうげんきしゅうい                                                                                                                         5巻(欠第3巻)4冊 享保15年(1730)菱屋治兵衛刊                                                                                                                                        縦10.8×横15.8cm 請求記号[773-36-W-4]                                                                                                                                              本書は、『狂言記』『続狂言記』の後に刊行された書物である。初版は享保15年であり、『続狂言記』(初版は元禄13年〈1700〉刊)よりさらに30年の間がある。『狂言記』『続狂言記』及び同じ流れで刊行された『狂言記 他五十番』(初版は元禄13年〈1700〉刊)に収録されていない曲目を収録して編集したものとされている。5巻から成り、各巻に10番、都合50番を収録する。

のうのきんもうずい                                                                                                                                    4巻(存第1巻第4巻)2冊 貞享4年(1687)吉田次郎右衛門刊                                                                                                                    縦10.6×横16.0cm 請求記号[774-1-W-2]                                                                                                                                                     本書は、能の解説書である。4巻から成り、能舞台、面、装束、小道具などを図入りで解説している他、江戸四座の役者名簿、京都の能役者名簿、能道具拵所(こしらえしょ)一覧などを掲載している。中でも江戸・京都の役者名簿は、刊行された貞享年間(1684~1688)の実態を確実に反映しており、能楽史料としての価値も高い。後に刊行された『能之図式大成(のうのずしきたいせい)』などの能の解説書にも大きな影響を与えた。

のうのずしきたいせい                                                                                                                                                                                                6巻6冊 元禄10年(1697)谷口七郎兵衛等刊                                                                                                                                                                               縦21.8×横15.7cm 請求記号[773-40-W-6]                                                                                                                                         本書は、『能之訓蒙図彙(のうのきんもうずい)』が刊行されてから10年後に成立した能の解説書である。6巻から成り、共演形式の演目である「弓矢之立合」や能舞台の解説に始まり、面、装束、小道具などを図入りで解説している他、「作物(つくりもの)」や狂言の小道具、面の解説もなされている。また、第6巻の巻末には、江戸と京都の役者名簿を付す。

ありどおし                                                                                                                                                                        1冊 世阿弥(ぜあみ)作 寛永6年(1629)刊                                                                                                                                                                                                      縦22.9×横16.7cm 請求記号[024.3-755-W-1]                                                                                                                                                                                                    「蟻通」は、能の演目の一つである。室町時代初期の能役者・能作者として知られる世阿弥(1363~1443)の作による。内容は、紀貫之(きのつらゆき)が和歌の神である住吉・玉津島(たまつしま)へ参詣した折、道中にわかに日が暮れ、大雨が降り、乗った馬までも地に臥してしまい途方に暮れた。そこへ老人の宮守が現れ、この地は蟻通の明神の神域であると、闇を照らして社壇のありかを教え、和歌を献じるように勧めた。貫之が献詠すると、やがて馬も起き上がって歩みだしたという話である。

あたか                                                                                                                                                                                                        (又名「あたか」) 1冊 寛永6年(1629)刊                                                                                                                                                                           縦20.6×横17.4cm 請求記号[024.3-756-W-1]                                                                                                                                                                                           本資料は、江戸時代初期の寛永年間に刊行された観世流(かんぜりゅう)の謡本(うたいぼん)の一つである。「安宅」は、能の演目の一つで、「四番目物」に分類される。作者については未詳であるが、室町戦国時代の能役者・観世信光(かんぜのぶみつ)(1435~1516)とする説もある。内容は、都落ちして奥州を目指す源義経(みなもとのよしつね)とその家来の一行を、関守の富樫(とがし)が弁慶(べんけい)の忠義に心打たれて関越えを許すという、有名な話である。後年、歌舞伎の「勧進帳(かんじんちょう)」に発展した。

めいじじゅうろくねんくがつどうとんぼりかどざこうぎょうごぶんしょういしやまぐんき(けんにょしょうにんとすずきまごいち)にしきえ                                                                                                                                                                                                                                               3紙 明治16年(1883)吉田喜代松刊                                                                                                                                                                                                縦38.0×横26.0cm(1紙) 請求記号[024.301-46-1]                                                                                                                                                                                                                                                                                          石山合戦は、織田信長(1534~1582)と本願寺第11代宗主顕如(けんにょ)(1543~1592)との間で11年間にわたり続けられた合戦である。この合戦を題材として、江戸時代には、実録小説『石山軍鑑(いしやまぐんかん)』や絵本読本『絵本石山軍記』などが作られ、広く流布した。明治に入ると、顕如の遠忌(おんき)を当て込んで「御文章石山軍記」の演目で歌舞伎が上演された。本資料は、明治16年の上演の際に販売された錦絵で、戦勝を祝う顕如と本願寺方の武将・鈴木孫市(すずきまごいち)が描かれている。主役である顕如は、初代市川右団次(いちかわうだんじ)(1843~1916)が演じた。

しばいきんもうずい                                                                                                                                                                       8巻5冊 式亭三馬(しきていさんば)編 勝川春永(かつかわしゅんえい)・歌川豊国(うたがわとよくに)画 文化3年(1806)上総屋忠助刊                                                                                                                                                                       縦22.7×横15.8cm 請求記号[913.7-145-W-5]                                                                                                                                                                                                                   本書は、歌舞伎の解説書で、編者は洒落本(しゃれぼん)・滑稽本(こっけいぼん)などの作者として知られる式亭三馬(1776~1822)である。浮世絵師・勝川春永(1762~1819)、初代歌川豊国(1769~1825)が挿絵を描いた。内容は、芝居の世界を一つの国に見立てて、雪や雷、雨などの演出などをはじめ、劇場の様子、小道具・大道具の解説、床山や道具方などの人事の説明、殺陣(たて)といった形の解説など挿絵を用いて詳しく記している。中でも第7巻の当代人気役者の似顔絵は目を引くものがある。

えほんあねいもとだてのおおきど                                                                                                                                                                                  7冊 [辰岡万作(たつおかまんさく)・近松徳叟(ちかまつとくそう)著] 文政2年(1819)河内屋太助刊                                                                                                                                                                                   縦22.3×横15.9cm 請求記号[913.65-30-W-7]                                                                                                                                       本書は、絵入りの歌舞伎根本(かぶきねほん)(挿絵入りの歌舞伎の台本)である。本書の元になった「姉妹達大礎(あねいもとだてのおおきど)」は、江戸時代中後期に京・大阪を中心に活躍した歌舞伎作者・辰岡万作(1742~1809)、近松徳叟(1751~1810)によって作られた歌舞伎であり、「碁太平記白石噺(ごたいへいきしろいしばなし)」を題材にして、宮城野(みやぎの)・信夫(しのぶ)の姉妹が殺された剣術指南役の父の仇討ちを果たす筋書きとなっている。

しかんせつようひゃっけつう                                                                                                                                                                                        1冊 暁鐘成(あかつきのかねなり)編 狂画堂蘆州(きょうがどうろしゅう)画 文化12年(1815)木村弥四郎等刊                                                                                                                                                                    縦25.7×横18.3cm 請求記号[774-55-W-1]                                                                                                                                                                                                        本書は、3代目中村歌右衛門(なかむらうたえもん)(1778~1838)の芸について、現在の国語辞書にあたる節用集(せつようしゅう)の体裁を模して戯作風に書いた書物である。3代目中村歌右衛門は、京・大阪を本拠に江戸でも活躍した歌舞伎役者であり、立役(たちやく)(男役)、実悪(じつあく)(敵役)、女方(おんながた)(女役)、所作事(しょさごと)(長唄を伴奏とする踊り)などに優れ、兼ねる役者と呼ばれ、演出に於いて梅玉型などの型を残し、後世にも影響を与えた。

しんこくやくしゃこうもく                                                                                                                                                                                          6巻(存第5至6巻)2冊 [八文舎自笑(はちもんしゃじしょう)編] 明和8年(1771)八文字屋八左衛門刊                                                                                                                                                                                                                                    縦18.8×横12.9cm 請求記号[024.93-322-W-2]                                                                                                                                                                                                            本書は、歌舞伎概説書で、寛延3年(1750)に刊行された『古今役者大全(ここんやくしゃだいぜん)』の続編に相当する。寛延3年以降の三ヶ津(京都・江戸・大坂)の立役(たちやく)・実悪(じつあく)・女方(おんながた)の芸評や師弟関係の系譜を記す他、中国明朝の伝記『蜃中楼(しんちゅうろう)』の第2齣(せき)の翻訳と中国演劇の様相についても記している。

展観情報

★対面展観 

龍谷大学図書館2025年度特別展観

「日本の美・日本の芸能」

開催期間 : 2025年10月15日(水)~10月23日(水) ※10月19日(日)のみ休館

開催時間 : 10:00~17:00 (最終入場 16:30)

開催場所 : 龍谷大学大宮キャンパス 本館1階 展観室

アクセス : 大宮キャンパスへのアクセスページをご覧ください。

ご来場について :

 ・入場は無料です。

 ・学内・学外の方いずれも事前予約は不要です。

 ・駐車場はありません。公共の交通機関をご利用ください。

 ・最新情報は図書館HPやX(旧Twitter)にてご確認ください。


★ジャパンサーチギャラリー

龍谷大学図書館2025年度特別展観 (オンライン版)

「日本の美・日本の芸能」

開催期間 : 2025年10月15日(水)より公開中!

関連リンク

  • 龍谷大学図書館のホームページです。

  • 龍谷大学図書館が所蔵する古典籍等の貴重資料を中心に全頁画像データを順次公開するサイトです。

    文学、真宗、仏教、医学、理学、芸術・芸能、哲学・宗教、歴史、社会科学等に分類しています。

  • 過去のWeb展観を公開しています。

    また、龍谷大学図書館主催の展観等で配布した図録バックナンバーのうち、著作権者等の了解が得られた図録を公開します。

Ryukoku University Omiya Library

Omiya Library
Ryukoku University has three libraries across three campuses in Kyoto and Shiga: Omiya Library, Fukakusa Library, and Seta Library. The history of Ryukoku University begins with the establishment of Gakuryo (the College) founded by Nishi Hongwanji Temple in 1639. The Omiya Library started at about the same time. In its history of more than 380 years, it has collected a large number of materials. It currently stores more than 750,000 books. Both undergraduate and graduate students who major in literature and Buddhist studies study at Omiya Campus. Therefore, the collection of books at Omiya Library is composed of the disciplines of Buddhist studies, Shin Buddhist Studies, history, and literature. It is a treasure trove of a large number of precious books and materials from Japan and China. Its collection includes national treasures such as the Ruiju Koshu (A Classified Collection of Old Poems). Also, the “Shajidai Bunko”, which is the collection of the successive chief priests of Nishi Hongwanji Temple, which has been donated to Omiya Library. Also included in its collections are the Buddhist scriptures and remains of Central Asia brought back by the Otani expedition dispatched by the 22nd chief priests of Nishi Hongwanji Temple, Kozui Otani.

お問い合わせ

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 龍谷大学大宮図書館(展観担当)

 o-lib@adryukoku.ac.jp