日本の寺社仏閣の移り変わり
日本の寺社仏閣の移り変わりについて説明します。
館長あいさつ
こんにちは。本日はご来館いただきありがとうございます。
こちらの博物館では、それぞれの時代を代表する寺社仏閣から、共通点や世の中との関わり、どのような経緯で作られたかなどを館長からの一言で説明しています。では、どうぞゆっくりご鑑賞ください。
展示の趣旨
日本にはかなり昔から数多くの寺院や神社がありましたが、近年はどちらも減少傾向にあります。また、寺院や神社が作られた経緯には歴史との深い関わりがあります。それらを鑑賞者の皆様にぜひ知っていただきたいと思い、この博物館を作らさせていただきました。それぞれの寺院や神社がどのようにして当時の世の中と関わり合っているのかやその大切さ、寺院や神社の共通点などを皆様に感じ取っていただけると幸いです。
時代ごとの寺社仏閣
それぞれの資料の説明(時系列順)
- 法隆寺
土屋光逸,つちやこういつ,TSUCHIYA, Kouitsu
多色摺木版、紙
館長からの一言
飛鳥時代を代表する寺院で、聖徳太子と推古天皇によって607年に建立された世界最古の木造建築。670年に焼失したが、その後再建された。亡くなった用明天皇のために、中国の優れた文化や仏教を積極的に積極的に取り入れ建てられたとされている。
- Nandaimon Gate at Tōdaiji Temple
横山松三郎撮影,By Yokoyama Matsusaburō (1838–84),東京国立博物館,Tokyo National Museum
館長からの一言
奈良時代を代表する寺院で、743年に聖武天皇によって建設が開始され、752年に大仏の開眼供養が行われた。1180年と1567年に焼失したが、1709年に再建された。当時、天然痘の流行や長屋王の変に象徴される権力闘争、九州での藤原広嗣の反乱と10年以上にわたる激変が続いていたため、仏教思想により、世の中を癒そうとして建てられたとされている。
- 平等院鳳凰堂
館長からの一言
平安時代を代表する寺院で、1053年に藤原頼通によって建立された。当時、釈迦が亡くなってから2000年後にあたり、末法思想が一般的に広まっており、不安が高まっていた時代であったが、一方で貴族の中では浄土教が広まっており、源信が極楽浄土の様子や阿弥陀如来の姿を心にえがくことを勧めていた。そのため、頼通はそれらを心にえがきやすくするために鳳凰堂を建てたとされている。
- 建長寺三門(1)
皆吉邦雄/撮影者
館長からの一言
鎌倉時代を代表する臨済宗の寺院で、1255年に北条時頼が蘭渓道隆を宋から招き、建立された。禅の修行の場を提供することで、鎌倉に禅文化を広め、武士の精神的基盤を確立するために建てられたとされている。
- 京都金閣寺
土屋光逸,つちやこういつ,TSUCHIYA, Kouitsu
多色摺木版、紙
館長からの一言
室町時代を代表する臨済宗の寺院で、1397年に足利義満によって建立された。正式名称を鹿苑寺という。日明貿易で得た富や文化を取り入れ、幕府の威厳や財力を国内外に見せつけることで、自身の政治的・文化的な影響力を確立するために建てたとされている。
- The Toshogu Shrine, Nikko
館長からの一言
江戸時代を代表する神社で、1617年に徳川秀忠によって建立された。江戸幕府初代将軍の徳川家康の遺言をもとに、彼を神として祀り、その霊を鎮め、家康の偉大さを示したり、江戸の安定と平和を願ったりするために建てられたとされている。
- 宗門寺請状の事
明和5年(1768)に江差の法華寺が「宗門 御奉行所」へ出した寺請状。関川平四郎が法華寺の檀那であることを証明している。■『ヤマニジュウ関川家資料目録』での文書名は「宗門寺請状之事(平四郎ニ付)」。■画像の二次利用をする場合には、所蔵・撮影・提供などを「江差町教育委員会」として下さい。
館長からの一言
17世紀半ばから江戸幕府が全住民をどこかの寺院の壇家にし、仏教徒であることを証明させる寺請制度が始まった。これには、江戸幕府の政治体制と相性の悪いキリスト教の禁止や民衆管理を目的として行われたとされている。
- (神仏分離令達)
下相野村庄屋清吉
館長からの一言
1868年に明治政府が発令した神社から仏教的な要素を排除し、神道と仏教を明確に区別する法令。廃仏毀釈運動を誘発して全国的な寺院破壊や仏像・仏具の破棄をもたらした。これには、天皇親政の精神的支柱として神道を国家の宗教にしようとする目的があったとされている。
- 靖國神社
井上安治,いのうえやすじ,INOUE, Yasuji
多色摺木版、紙
館長からの一言
1869年に明治天皇の思し召しによって建てられた招魂社がはじまりで、1879年に靖国神社になった。戊辰戦争などで国家のために尊い命を捧げられた人々の御霊を慰め、その事績を永く後世に伝えることを目的に建てられた。それ以降、戊辰戦争だけでなく、日清戦争や日露戦争、第一次世界大戦、満州事変などの対外事変や戦争に際して尊い命を捧げた人々も祀られるようになった。
いかがだったでしょうか。寺院や神社は当時の世の中や流行と関わり合っており、様々な視点から当時を知ることのできる大切な文化財であることがわかっていただけたと思います。この博物館を通して寺院や神社に深い興味を持っていただけたら幸いです。
本日はご来館いただきありがとうございました。
展示関連イベント
・奈良国立博物館 特別陳列「お水取り」(2026年2月7日〜3月15日)
・平等院ミュージアム鳳翔館 企画展「馬描ける春」(2026年1月11日〜4月19日)
・相国寺承天閣美術館 企画展「屏風黄金の調度」(2026年1月11日〜3月8日)
・遊就館 企画展「靖国神社と刀剣」(2025年後半〜2026年3月までを予定)








