Initial note
〜館長からの一言〜
みなさんは零戦(正式名称:零式艦上戦闘機)をご存じでしょうか。「永遠の0」や「風立ちぬ」で知ったという方も多いかもしれません。零戦は、全ての防御と耐久性を犠牲にすることで優れた機動力や航続力を手にし、太平洋戦争初期には無敵の活躍をしていました。今回の展示では、そんな零戦がどのように改良を重ねられてきたのか紹介していきたいと思います。
〜展示について〜
最初に、開発を任された三菱の堀越二郎技師の紹介をします。続いて、十二試艦上戦闘機・21型・32型・52型を順に紹介します。零戦の変遷を追うことで、興味を持っていただけると幸いです。
〜堀越二郎〜
〜館長からの一言〜
零戦のことを知る前に、まずは開発者のことを知る必要があると思い、展示させていただきました。以下の文章にて、彼の生涯を紹介します。
「零式艦上戦闘機(れいしきかんじょうせんとうき)(ゼロ戦)を担当した飛行機設計者。群馬県に生まれる。1927年(昭和2)東京帝国大学工学部航空学科を卒業、三菱(みつびし)内燃機製造名古屋工場(現、三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所)に入社した。日本海軍の九六式艦上戦闘機(1936)で成功を収め、ついで零式艦上戦闘機(1940)を設計した。太平洋戦争におけるゼロ戦の圧倒的成果は、長大な航続距離と優秀な操縦性能によるもので、整然と確立された設計思想とたゆまぬ研究の結果である。戦後、ゼロ戦操縦装置の基本理論で工学博士となり、東京大学宇宙航空研究所(現、宇宙航空研究開発機構=JAXAを構成する宇宙科学研究所)、防衛大学校、日本大学などで教職につき、1962年(昭和37)日本航空学会(現、日本航空宇宙学会)会長を務めた。1957年に始められた国産旅客機YS-11の開発・設計にも携わった。」(日本大百科全書「堀越二郎」の解説.コトバンク.2022年9月19日参照.<https://kotobank.jp/word/%E5%A0%80%E8%B6%8A%E4%BA%8C%E9%83%8E-134331>)
〜十二試艦上戦闘機〜
日中戦争
〜館長からの一言〜
まずは、初めて零戦として作られた機体を紹介します。十二試艦上戦闘機は、「第二次大戦における日本海軍の主力戦闘機となった、零式艦上戦闘機、通称「ゼロ戦」の試作機である。1939(昭和14)年に各務原で初飛行に成功して以来改良を重ね、翌年に零式艦上戦闘機として制式採用された。空気抵抗の少ないフォルムと軽量化を追求することで、当時の世界水準に達する飛行機となった。」(十二試艦上戦闘機.岐阜かかみがはら航空宇宙博物館.2022年9月19日参照.<http://www.sorahaku.net/1001012/1001043/1001048/1001077.html>)とされています。当時のアメリカ軍の戦闘機と比較すると、作りはかなりシンプルでサイズも小さいことがわかります。それほど、機動力や航続力にこだわっていたのでしょう。また、20ミリ機銃を搭載していることからも戦闘力も十分であると言えます。
〜零戦21型〜
太平洋戦争
〜館長からの一言〜
零戦21型は、航空母艦に搭載するために改良された機体です。初期量産型であった11型(十二試艦上戦闘機が改良され制式採用された機体)は陸上運用機だったため空母で使用するには不都合が多くありました。そのため、翼端を50cmずつ折り畳める機能が追加された他、着艦フックや無線帰投方位測定器といった艦上機用装備も追加されました。
21型は真珠湾攻撃で実戦に参加し、太平洋戦争序盤の破竹の快進撃を支えたため零戦を知る上で欠かすことはできません。
<参考文献>
JIJI.COM.【特集】日本の海軍機.零式艦上戦闘機二一型(参照2022年9月19日)
<https://www.jiji.com/sp/v2?id=20110904japanese_naval_aircrafts_01>
零式艦上戦闘機の派生型.零戦二一型(A6M2b).Wikipedia.(参照.2022年9月19日)
〜零戦32型〜
太平洋戦争
〜館長からの一言〜
零戦32型は実用化後初の大規模な改修が施されたタイプです。1942年頃から量産が開始され、同年秋頃には実戦投入されました。エンジンを離昇出力1130馬力の「栄」二一型に換装し、高高度性能の向上を目指しました。また、主翼端を50cmずつ切り落としているのも特徴で、速度と横転能力のアップを図りました。さらに、機体構造を強化することで急降下速度制限を緩和し、空戦性能の大幅な向上を狙いました。エンジンや空戦性能が強化された反面、燃費の悪化や航続距離の低下など従来の零戦の強みが減少するという予想外のデメリットが生まれました。それでも海軍は量産を命じ、戦闘の激化する南太平洋地域に送り込みました。32型への改良は、大成功とはなりませんでしたが次へ繋がる転換点になりました。
<参考文献>
JIJI.COM.【特集】日本の海軍機.零式艦上戦闘機三二型(参照2022年9月19日)
<https://www.jiji.com/sp/v2?id=20110904japanese_naval_aircrafts_02>
零式艦上戦闘機の派生型.零戦三二型(A6M3).Wikipedia.(参照.2022年9月19日)
〜零戦52型〜
太平洋戦争
〜館長からの一言〜
零戦52型は、32型を改良した22型の発展型で、最終的には特攻機としても用いられました。最大の特徴は、機首部の外見に沿って配置する推力式単排気管です。この実装により、32型では課題とされていたエンジンの大型化に伴う速力の低下が改善され、最高速度が30km/hも増加しました。また、防御性能も見直され、主翼内の燃料タンクに自動消火装置を装備したことで、被弾で火災が発生しても二酸化炭素を噴射して鎮火させることができるようになりました。
映画「永遠の0」でも数多く登場したように、零戦といえば深緑色の52型を想像する方も多いと思います。それもそのはずで、実際に零戦の生産数約10,000機の半数以上をこの52型が占めていました。ちなみに、深緑色は大戦中期以降ジャングルが主戦場となったため、迷彩色として用いられていました。
<参考文献>
JIJI.COM.【特集】日本の海軍機.零式艦上戦闘機五二型(参照2022年9月19日)
<https://www.jiji.com/sp/v2?id=20110904japanese_naval_aircrafts_03>
零式艦上戦闘機の派生型.零戦五二型(A6M5).Wikipedia.(参照.2022年9月19日)
河口湖飛行館.〜零式艦上戦闘機(ゼロ戦)52型 中島飛行機製 1493号機〜(参照2022年9月20日)
〜展示をご覧いただいた方々へ〜
いかがでしたでしょうか。みなさんが抱いていた零戦のイメージ通りでしたか?世界最強と謳われた零戦は、機体を開発する技術者とその弱点を補う搭乗員の実力によって戦時中の日本を支えました。零戦の変遷を知ることで、太平洋戦争で繰り広げられた数々の海戦へ興味を持っていただければ幸いです。
〜展示関連イベント〜
今回の展示に際して、イベントを開催いたします。下記の概要を参考の上、ぜひご参加ください。
【イベント概要】
大抽選会!パラオへのレックダイビングツアーが当たる?!
・入場券に記載されている入場者番号を使用し、抽選を行います。1等は、パラオへのレックダイビングツアーペアチケットです。沈んでる零戦を実際に見ることができる貴重な機会です。また、2等以下には零戦が展示されている国立科学博物館や靖国神社遊就館への招待券などもご用意しております。



