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鷙鳥図屏風 江戸時代、17世紀 /

日本特産のヒノキ科の常緑高木で、古くから建材として重用された

日本特産のヒノキ科の常緑高木。高さ30~50メートル、径1~2.5メートルに達し、樹齢は800年に及ぶ。幹は直立し、赤褐色の樹皮が縦に裂けて薄くはがれる。雌雄同株で4月頃に雄花と雌花がつき、球形の実を結ぶ。本州の福島県以南、四国、九州の屋久島までの山地に自生し、信州木曾の檜林は青森のヒバ林、秋田の杉林とともに三大美林に数えられる。

縄文時代より桟橋の杭とされたり、その繊維で籠が編まれたり、杉とともに暮しを支える樹木であった。『日本書紀』に檜材を用いて瑞宮(みづのみや)を造営すべきとあるほか、檜垣(ひがき)、檜皮葺(ひわだぶき)、檜扇(ひおうぎ)、檜笠(ひがさ)など(『枕草子』など)、その用途は多彩であった。中世には寺院の檜杉林を守るため小木でも盗切を禁じると定めた。『洛中洛外図屛風風』では檜皮葺の屋根は天皇・将軍・摂関家に限られていた。近世には城下町建設などにより木曾、飛彈(ひだ)、紀伊、土佐などから大量の檜材が伐出され、資源保護のため材木奉行を置き、指杉檜(さしすぎひのき)という増殖法がとられた。近代、特に第2次世界大戦後、大量伐採により天然の檜はほぼ伐り尽くされ、人工造林が主流となった。檜の造林面積の大きい県は、岐阜・高知・静岡・和歌山・三重・愛媛・長野など。

檜材は芳香と光沢があり、木理(きめ)が通直かつ緻密で耐朽性に富み、加工しやすく狂いにくいため、宮殿や社殿などの建築材のほか、船舶、仏像、風呂桶などの用材とされた。樹皮は檜皮葺のほか錨縄や筏縄などに、槇皮(まいはだ)は板のすきまの詰物に利用された。葉や材から得た精油は香料や薬用、溶剤となるが、神事で木をこすって火をおこすのにも用いられた。小枝により豊作祈願をする風習もある。園芸品種も多く、また盆栽、生け垣などとして植栽される。

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  • 世界最古の木造建築。建材として檜が使われている。所在地は奈良県生駒郡斑鳩町。

  • 国立科学博物館附属自然教育園内に生息している生物の種名や写真を調べることができる。

  • 国立科学博物館筑波実験植物園内の植物を検索することができる。研究者ノートなど専門的な解説もある。

  • 名称の由来、日本各地の分布、建築材としての特徴、芳香などの産業利用などを紹介する。

  • 国産材および世界中の木材の種類、特徴などを紹介する木材図鑑。檜の木目、材の特徴、用途などを紹介する。

  • 木曽ヒノキについて、特徴などが簡潔にまとめられている。

  • 植物・花の基本情報、育て方などについて「趣味の園芸」の講師陣が執筆。園芸相談Q&Aや特集コーナーがある。「NHKみんなの趣味の園芸」(NHK出版)公式サイト。

参考文献

  1. 平凡社
  2. 小学館
  3. 瀬田勝哉 著,朝日新聞社